俺の家の話 2021年(令和3年) ドラマ傑作選
観山寿一(長瀬智也)は「ブリザード寿」のリングネームで知られる現役プロレスラーである。
父親の寿三郎(西田敏行)は、観山流「能楽」の重要無形文化財保持者、いわゆる人間国宝だ。
寿一は長男だが、17歳のときプロレスラーを志望して家出。それ以来、実家に帰っていない。
ある日、寿一の元に、父・寿三郎危篤の知らせが飛び込んできた。
急いで病院に駆け込んだ寿一は、家族から父が脳梗塞で倒れたことを聞かされる。
寝たきりになってしまった父親をよそに、遺産や相続の話を始める家族たちに、寿一は激怒する。
そして寿一は、父親の観山流能楽を継承すべく、プロレスラーを引退することを決めるのだった。
長年疎遠になっていた観山家に、父親の介護のために帰ってきたプロレスラーの主人公・寿一。
だが、実家には、父親の介護、伝統の継承、遺産相続など、様々な問題が山積みとなっていた。
ドラマは、問題を抱えながらも、介護を通じて少しづつ「家族」が再生していく姿が描かれる。
長瀬智也演じる寿一のキャラクターは、気のいい男だが、どう見てもアウトローのはみ出し者で
家業である能楽の伝統を継がずに家を飛び出したのも、父親に対する反抗の表れであった。
そんな男が、父親の倒れたことをきっかけに、家業を継ぎ、父親の介護に専念する事を決意する。
能の名家に生まれた寿一の父親に対する複雑な感情、そしてリングへの夢を諦め、戸惑いながらも
父親の介護に、愛情をもって取り組もうとする男の哀愁を、長瀬智也が見事に表現している。
(制作)TBS(脚本)宮藤官九郎
(配役)観山寿一(長瀬智也)観山寿三郎(西田敏行)観山寿限無(桐谷健太)観山踊介(永山絢斗)
志田さくら(戸田恵梨香)長田舞(江口のりこ)