パパは何でも知っている 1958年(昭和33年) ドラマ傑作選
アンダーソン家は、スプリングフィールドの町に住む中流家庭。
パパが朝、会社に出かけようとすると、ママがカバンを手渡しキスをしようとする。
それを三人の子どもたちが階段の手すりから笑いながら見ている。
一家のパパは保険会社の営業マン、優しくスタイルがいいママは専業主婦。
いつもデートに悩んでいる長女、わんぱくな弟、そしておませな妹。
物語は、そんなアメリカの典型的な家族の日常的事件がユーモアたっぷりに描かれる。
夕方になると、パパは自動車で帰宅し、それをエプロン姿のママが迎える。
広いダイニング・キッチンで食事し、ソファのあるリビングで手製のクッキーをつまみながら、
一家揃って会話するという生活が映し出される。
一方、当時の日本は、サラリーマン家庭が増えつつあったとはいえ、多くの家庭では、
狭い家に畳の部屋。ちゃぶ台でごはんを食べていた。
だからアメリカのような豊かな生活は憧れのまとであった。
実は、DK(ダイニング・キッチン)という言葉は、そうしたアメリカのドラマに由来するという。
多くの日本人が憧れる先進的なライフスタイルは、電化設備にかこまれたダイニング・キッチン
がある生活だった。
こうして、60年代から急速に普及した公団住宅には、ダイニング・キッチンが必須となったのである。
パパは何でも知っている(Father Knows Best)(制作)NBC(アメリカ)(放映)NTV
ジム(ロバート・ヤング)(声:小池朝雄)マーガレット(ジェーン・ワイアット)(声:樺島とし子)
ベティ(エリノア・ドナヒュー)(声:白銀道子)バド(ビリー・グレイ)(声:八代駿)
キャシー(ローレン・チャピン)(声:武藤礼子)