プリズナー   2008年(平成20年)       ドラマ傑作選

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とある事件がきっかけで教師の職を辞した井沢圭吾(玉山鉄二)


大学時代の先輩で、東南アジアの小国セライビアで孤児院を経営している譲原(中村俊介)を訪ね、

しばらくは孤児院を手伝うことに。


そんな中、譲原は資金を提供してくれるというジョイという男の口車に乗せられ、全財産を失う。


圭吾はジョイに金の返却を求めるが、警察に裏金を払ったジョイの策略により、逮捕されてしまう。

獄中で絶望に陥っていた圭吾は、同房の謎の男ポン(大森南朋)から脱獄計画を持ちかけられるが…。





東南アジアのある国で、無実の日本人が誘拐未遂の罪を着せられ収監されてしまう。

物語は、だましだまされの頭脳戦で監獄から脱出する元教師、圭吾(玉山鉄二)の
戦いをスリリングに描くサスペンス。


屋外シーンはすべてタイ・パタヤ周辺での撮影で、日本とタイ合同チームによる、
約一カ月の長期ロケを敢行した。


ドラマは、警官の汚職、本来なら力になってくれるはずの日本大使館の事なかれ主義も
きっちり描かれ、回を追うごとに、サスペンスが盛り上げる構成となっている。


原作は、作家の沢井鯨がカンボジアで半年間、いわれなき罪で投獄された体験を
小説化した「プリズナー・イン・プノンペン」


息が詰まるような臭気と絶望の空気が、すぐ身の回りにあるような圧迫感を覚える。
警察や裁判所も金次第という「システム」も、真に迫って恐ろしい。


ドラマでは、舞台を架空の国「セライビア」に移し、物語を大幅に入れ替えた。

原作で大きな意味を持つポル・ポト時代の大量虐殺の傷跡には触れられない。


代わりに、原作には登場しないリゾート開発を巡る中国系投資会社の暗躍など
新たな伏線を張り巡らせ、サスペンス色を強めている。


普段我々が生きている世界が、いかに安心安全であることか再認識させられる。
原作もドラマも平和ボケの頭には強烈だ。



(制作)WOWOW、国際放映(原作)沢井鯨(脚本)大石哲也

(配役)井沢圭吾(玉山鉄二)譲原卓也(中村俊介)西山亜希(鶴田真由)松宮あおい(佐田真由美)

ポン(大森南朋)和田暁(石黒賢)宇部肇(小日向文世)タオ(草刈麻有)

ビッグ・ボス(ウォルター・ロバーツ)ジョイ・サーガ(ジョン・カミナリ)


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