陸王   2017年(平成29年)       ドラマ傑作選

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宮沢紘一(役所広司)は、埼玉・行田にある足袋屋「こはぜ屋」の四代目社長である。


こはぜ屋は、百年の歴史がある老舗だが、時代遅れの業種で資金難が続いている。

銀行からは、融資の条件として、何か新規事業にチャレンジしろと言われている。


宮沢は、足袋製造で培った技術を生かして、ランニングシューズを開発しようと考えた。

二か月後、ようやく200足の試作品が完成し、商品名を「陸王」と決定する。


だが、資金不足で従業員の残業代が払えなくなり、宮沢は銀行に追加融資を依頼する。

銀行からは、追加融資の条件として、従業員をリストラしろと言われてしまう。




そんなおり、地元の高校からの注文で「陸王」が教育現場で採用されることになった。

こはぜ屋の地道な営業努力が受注につながり、数は少ないが大きな一歩となった。


さらに宮沢は「陸王」がマラソン用に使えないかと、スポーツ用品店に売り込みに行く。

だが、担当者から「陸王」はゴム底なので、耐久性に問題があると言われる。

学校で子供たちが走り回る程度なら良いが、マラソン選手が履くとなると改良が必要だという。


そんなおり、宮沢は銀行の担当者から、靴底の素材になるかもしれない会社があると聞かされる。

天然の繭から加工した「シルクレイ」という素材で、ゴムより軽量で耐久性に優れているらしい。

だが残念ながら、その会社は倒産しており、社長の飯山(寺尾聰)とは連絡が取れないという。



倒産寸前の足袋屋が再起をかけて立ち上がり、畑違いのランニングシューズ作りに挑む。

そんな無謀とも思える挑戦にかける熱き人物たちの会社再生物語。


老舗足袋屋・こはぜ屋の社長・宮沢は、年々先細る足袋の需要から資金繰りに悩む日々を過ごしていた。
そんなおり、銀行とのやりとりを通じて、新規事業への参入を考え始める。

それは足袋製造で培った技術が生かせる裸足感覚を追求したランニングシューズ「陸王」の開発だった。


陸王の完成は従業員20名余りの地方零細企業にとって、貧しい資金、人材、開発力など苦難の道のり。

何度もくじけそうになる宮沢だが、従業員に支えられながら奮闘を続ける姿が描かれる。


ドラマで使用された「陸王」やライバル会社のランニングシューズは、ミズノなど実際のメーカーに
依頼してシューズを製作している。


またドラマには、元女子マラソンの増田明美、元男子マラソンの瀬古利彦、パラリンピックの
女子走り幅跳び選手の中西麻耶など、本物の陸上選手も多数出演して大きな話題を呼んだ。
   

 
(制作)TBS(原作)池井戸潤(脚本)八津弘幸

(配役)宮沢紘一(役所広司)宮沢大地(山ア賢人)宮沢美枝子(檀ふみ)宮沢茜(上白石萌音)富島玄三(志賀廣太郎)
正岡あけみ(阿川佐和子)安田利光(内村遙)仲下美咲(吉谷彩子)水原米子(春やすこ)西井冨久子(正司照枝)

橋井美子(上村依子)有村融(光石研)飯山晴之(寺尾聰)茂木裕人(竹内涼真)城戸明宏(音尾琢真)毛塚直之(佐野岳)
坂本太郎(風間俊介)橋浩(馬場徹)家長亨(桂雀々)村野尊彦(市川右團次)小原賢治(ピエール瀧)佐山淳司(小籔千豊)



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