ひぐらしのなく頃に   2006年(平成18年)       ドラマ傑作選

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1983年初夏。山奥の寒村・雛見沢村にて、前原圭一はごくありふれた毎日を過ごしていた。

都会から引っ越してきたばかりの圭一だったが、レナや魅音、沙都子、梨花ら仲良しグループ

のおかげで、楽しい日常を築き始めていた。


そんなある日、圭一は偶然会ったカメラマンの男性から、村にまつわる奇妙な事件の存在を知る。

この村には毎年6月になると1人が死に、1人が行方不明になるという怪奇事件が続いていた。


村には人食い鬼の伝説や「オヤシロさまの祟り」と呼ばれる禁忌が存在し、またダム建設に関する

反対闘争に絡む確執もあり、事件の解決を困難にしている。



周囲の人間は、何か事情を知っているようだが、どうやら圭一には隠しているようだ。

この事件は本当に祟りなのか、それとも陰謀なのか…。



大ヒットしたものの、「猟奇殺人アニメ」というあまり有り難くない名前をつけられた作品。

2007年京都で専門学校生の少女が警察官の実父を斧で切りつけて殺害するという事件が発生。


事件後、視聴者から「アニメの中で少女が凶器をふるって殺人を犯す場面が事件を連想させる」

との指摘があり、京都放送や東海テレビなど、放送を休止するテレビ局が相次いだ。


本作は、もともとゲームが原作で、寒村で起きた不可解な連続殺人が、視点を変えて繰り返し語られ、

それらを重ね合わせることで、少しずつ事件の全容が浮かび上がってくるというストーリー展開。

ネット上でプレーヤー同士が推理合戦を熱く繰り広げ、一気に人気に火が付いた。


こうした事件に関わる推理や解読を楽しむという点で、本作は古典的ミステリーの延長線上にある。

とりわけ村伝説にまつわる祟りが前面に押し出されている点では、横溝正史にも通じるものがある。


しかし、萌えキャラが多数登場する学園ラブコメ的前半が、祭りを境にどろどろとした猟奇的な

雰囲気一色となってしまう。その落差の大きさに戸惑う視聴者も多かったようである。



(制作)関西テレビ(KTV)ひぐらしのなく頃に製作委員会(原作)竜騎士07(脚本)川瀬敏文、中瀬理香

(主題歌)島みやえい子「ひぐらしのなく頃に」(作詞:島みやえい子、作曲:中沢伴行)

(配役)前原圭一(保志総一朗)竜宮レナ(中原麻衣)園崎魅音(ゆきのさつき)北条沙都子(かないみか)

古手梨花(田村ゆかり)園崎詩音(ゆきのさつき)羽入(堀江由衣)


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