真田丸   2016年(平成28年)       ドラマ傑作選

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関が原の戦いから10年以上の歳月が流れ、徳川家康(内野聖陽)は天下統一を目前にしていた。

最後に残ったのは、豊臣秀吉の遺児・秀頼と付き従う側近たちであった。


秀頼の母・茶々(竹内結子)は、豊臣家の再興に執念を燃やし、ついに家康との対決が避けられない状況となった。

慶長19年(1614年)10月11日、家康は軍勢を率いて駿府を発した。世にいう大坂冬の陣の始まりである。


茶々の呼びかけを受け、次々と大坂城に入城する武将たち。だが大多数は甲冑さえ持たない浪人衆であった。

彼らは関が原で敗北し、没落して不遇を囲っていたが、好機到来とばかりに参集してきたのだ。


浪人たちのなかで、真田幸村(堺雅人)、後藤又兵衛(哀川翔)など、戦略を語れる者が数名いた。




軍議では幸村と後藤又兵衛が、地の利を活かした野戦で徳川軍を迎撃する作戦を主張。

だが秀頼の側近たちが籠城戦を唱えたため退けられた。


一介の浪人である幸村たちの思う通りにはいかなかったのだ。

そこで幸村は、代わりの策として、防御の弱い大坂城の南側に大きな砦をもうけた。
これが後に「真田丸」と呼ばれる出城である。



11月19日、豊臣方10万、徳川方20万の両軍が激突、散発的な小競合いの後、豊臣方は城に籠城。

戦いは膠着状態が続いたが、12月4日、徳川方の前田利常軍が先駆けの功名に走り、真田丸まで前進してきた。


そこで幸村は、前田軍をじっくりと引きつけた後で、嵐のように火縄銃の一斉射撃をあびせる。
つるべ撃ちに遭った前田軍の先鋒隊300名は全滅、真田丸の前方は死傷者で埋まり、豊臣方は最大の戦果を挙げた。



難攻不落の城に攻めあぐねた家康は、茶々の住む城郭に大砲を浴びせ、和睦を迫るという作戦にでる。
幸村たちは、和睦が謀略であることを見抜いたが、大砲の音に恐れをなした茶々は、和睦を受け入れてしまう。

12月22日、和睦が成立。城の堀は埋められ、真田丸も解体、大坂城はほとんど丸腰にさせられた。



だが和睦は束の間に終わり、翌年(1615年)4月、大坂夏の陣が勃発した。

真田幸村らの奮戦もおよばず、ついに城は陥落。秀頼は母の茶々とともに自害し、ここに豊臣家は滅亡した。



戦国の武将・真田信繁(幸村)の波乱の生涯を描いた大河ドラマ。

タイトルの「真田丸」は、幸村が大坂の陣で築いた砦の名称である一方、戦国の荒波に立ち向かう
真田家を一艘の船になぞらえたものである。

本作は、織田信長など主要人物の死がナレーションのみであっさりと終わる演出がなされている。
これは「ナレ死」という造語を生むなど、視聴者の話題をさらった。

またバイオリン・ソロではじまる壮大なテーマ曲もドラマの盛り上げに一役かった。

全50話の平均視聴率は16.6%となった。
平均16%超えは、2011年に放送された「江〜姫たちの戦国」以来5年ぶり。
   

 
(制作)NHK(脚本)三谷幸喜

(配役)徳川家康(内野聖陽)豊臣秀頼(中川大志)茶々(竹内結子)真田昌幸(草刈正雄)真田信繁(堺雅人
後藤又兵衛(哀川翔)真田信幸(大泉洋)きり(長澤まさみ
 


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