三男三女婿一匹   1976年(昭和51年)       ドラマ傑作選

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つむじ曲がりで気難しいが名医の大五郎(森繁久彌)は、桂病院の院長である。


長男・啓介(新克利)は外科医。次男・健太郎(井上順)は小児科医。

妻の政江(山岡久乃)は元婦長という大家族。

そんな病院一家に三男・英世(加藤健一)は、山岳専門のカメラマンという変わり種。


大五郎は再婚であり、妻の政江は前夫との間に弓子(あべ静江)と君子(池上季実子)

という二人の娘がいる。

これに加えて、養女となったすみれ(泉ピン子)がいる。これが三女。



そしてこの三女・すみれと熱烈な恋愛の末に結ばれた夫が野中和之(西田敏行)である。

この野中は、実は元患者で、すみれと結婚後、事務員として桂病院に勤務している。

以上、文字通りの「三男三女婿一匹」の大所帯だ。



東京・上野の不忍池近くにある病院の大家族が繰り広げる人間臭い触れ合いを描く。


森繁久彌演じる大五郎は、軍医上がりの昔気質で息子たちからは煙たがられている。

そんな世代間の違いから起こる様々な騒動と人間模様が温かくユーモラスに描かれた
ヒューマンコメディーである。


大五郎の息子三人は実の兄弟だが、娘三人は妻方の連れ子と養女である。

薬剤師として勤務する長女・弓子(あべ静江)は、その美しさゆえに複数の男性から
言い寄られるヒロイン的存在で、白衣姿やヘアスタイルも毎回目を引いていた。


また、三女・すみれ(泉ピン子)の婿さんを演じた西田敏行は、気弱でまじめな
病院の庶務主任で、もっぱら院長の森繁にいびられるという役どころ。


だが、森繁の繰り出すアドリブにも、個性あふれる演技で見事に対応し、存在感を
大いにアピールした。本作は、無名の新人だった彼の出世作となった。
   

 
(制作)TBS、テレパック(脚本)高橋玄洋

(配役)桂大五郎(森繁久彌)桂政江(山岡久乃)桂啓介(新克利)桂健太郎(井上順)桂英世(加藤健一)

野中和之(西田敏行)野中すみれ(泉ピン子)塩谷弓子(あべ静江)塩谷君子(池上季実子

上原得三郎(古谷一行)村山冬子(杉村春子)石川絹代(初井言榮)



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