さよなら三角またきて四角 1982年(昭和57年) ドラマ傑作選
東京・高田馬場の奥まった商店街の一角、野沢豆腐店と、桜木家が営むピザの店
「ソレント」が隣り合わせになっている。
野沢家は、未亡人の澄江(山岡久乃)が、二男・徳二(堺正章)の助けを得て、
昔ながらの豆腐の製造法を守っているが、景気はあまり良くない。
一方、桜木家は、当主の雅也(津川雅彦)がやり手で、母・チカ(沢村貞子)の
反対を押し切り、うどん屋ののれんも捨て、当世風のピザ店にして繁盛している。
雅也はさらに、ピザ店の拡張を目論み、野沢家の買収を狙っている。
当然仲の悪い両家だが、徳二と雅也の義理の妹・紀子(古手川祐子)は、密かに恋愛中だ。
また、徳二の弟・留徳(山田辰夫)と、ソレントのウエイトレス・スズ子(大畑ゆかり)
が同せいを始めたりするなど、両家の関係を更に複雑にしているのであった。
登場人物に、ベテランとテレビ初出演という新人を取り混ぜ、軽いタッチのホームコメディ
としてユーモラスに描かれている。
堺正章演じる徳二は、野沢家の二男で、父親が交通事故で亡くなった後、進学をやめて
店を手伝ってきているが、豆腐屋を継ぐ意思が固まっている訳ではない。
そんな徳二と気持ちが通い合うのは、豆腐店を買収してピザ店を広げようとする雅也の
妻(片桐夕子)の妹・紀子である、という含みが面白い。
(制作)TBS、テレパック(脚本)高橋玄洋
(主題歌)堺正章「ジグザグ」(作詞:来生えつこ、作曲:来生たかお)
(配役)野沢徳二(堺正章)雨宮紀子(古手川祐子)野沢澄江(山岡久乃)野沢留徳(山田辰夫)
桜木雅也(津川雅彦)桜木信子(片桐夕子)桜木チカ(沢村貞子)河相スズ子(大畑ゆかり)