私が愛したウルトラセブン   1993年(平成5年)       ドラマ傑作選

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ウルトラセブンシリーズの撮影が始まって一か月が経過した時、脚本家の赤井景介と

アンヌ役の女優が交通事故に遭い、赤井は死亡、女優は重体となる。


台本のストックも無いうえ、放送日も迫り、現場は騒然となる。


テレビ局プロデューサーの推薦で、石川(香川照之)という駆け出しの脚本家が呼ばれ、

翌朝までに、赤井の残した脚本の続きを書くことになった。


ヒロインのアンヌ役は、アルバイトに来ていた百合子(田村英里子)が急きょ抜擢された。




1960年代後半、この時期の特撮ドラマは、ほとんど「円谷プロ」の独占状態が続いていた。

子供たちは、毎週テレビのブラウン管に現れる怪獣たちに熱狂し、その怪獣と戦う

銀色のヒーローに魅了されたのである。


すでに半世紀以上の歴史を誇るウルトラシリーズ。夢見ることの大切さを教えてくれた

このシリーズは、登場人物の名前を聞いただけであの時のときめきがよみがえる。


とりわけ「ウルトラセブン」は、全シリーズ中、最高傑作だと評価するファンが多い。

本作「私が愛したウルトラセブン」は、このウルトラセブンという特撮ドラマの制作に

情熱を注いだ人々を描いたドラマである。


脚本の市川森一は、本作のサブタイトルに「夢見る力」と名付けた。

「人は、夢見る力がないと生きていけない」それは、市川氏が永遠に書き求めるテーマでもある。


人間はウルトラセブンのように空に飛び立つことはできないし、現実の事件はドラマのように

30分では解決しない。そして、どんな夢もいつかは覚めてしまう。

それでも私たちは希望を信じて夢を追い求める。

そんな夢作りの現場に集まった人々の想いの結晶が「ウルトラセブン」なのかもしれない。



(制作)NHK(脚本)市川森一

(配役)アンヌ(田村英里子)モロボシ・ダン(松村雄基)キリヤマ(速見領)アマギ(松戸俊二)

フルハシ(中山正幻)ソガ(布川敏和)上原正三(仲村トオル)石川新一(香川照之)三国(財津一郎)

金城哲夫(佐野史郎)満田(塩見三省)赤井景介(赤井鬼介)内藤弘子(金子美香)


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