幸せのとなり 1979年(昭和54年) ドラマ傑作選
相原家の姑・いせ(沢村貞子)と、長男の嫁・悠子(大空真弓)は、現在同居中である。
長男は早逝してしまったのだが、この姑は、なんでも悪いことは嫁のせいにするため、
二人の関係は険悪であった。
そんな折、姑のいせが突然、発作を起こして倒れ、急遽入院してしまう。
橋田寿賀子「となりの芝生 1976年」「となりと私 1977年」に続く、嫁姑の葛藤を
テーマにした「となりシリーズ」の第三弾。
いま住んでいる家と土地以外には財産のない姑・いせが発作で倒れ、病院に運ばれる。
そして、お決まりの、いせの家と土地の相続をめぐる争いが始まる。
ドラマは、日頃は、いせの世話を、嫁の悠子に押し付け、遺産相続となると、エゴを
むき出しにして争う子たちの姿を通して、人間の持ついやらしさを辛口に描いている。
視聴率は、回を追って上昇し、最高25.8%を記録。こうしたドラマが評判になるのは、
ドラマの面白さもさることながら、同じような悩みをもつ家庭の多い現実を伺わせた。
(制作)NHK(脚本)橋田寿賀子
(配役)姑・相原いせ(沢村貞子)長男の嫁・悠子(大空真弓)いせの次男・壮 (前田吟)
壮の妻・郁子 (松原智恵子)いせの長女・春子 (吉田日出子) 春子の夫・酒匂賢治 (児玉清)
いせの次女・夏子 (藤田美保子) 同棲中の男・中岡慎 (東野英心)