芝生は緑 1979年(昭和54年) ドラマ傑作選


豪華なマンションに隣り合わせに住む内科医の高木夫妻と室内設計士の市川夫妻。
お互いに隣の奥さんやだんなの方がよく見えるのだ。
高木家のお手伝い・七瀬(多岐川裕美)は、人の心が読める超能力の持ち主。
七瀬は、二組をばらばらにして、好きな人同士を結ばせようと一計を思いつく。
人のものは何でもよく見える、という人間の心理をテーマにしたSFコメディ。
原作は、1970年「小説新潮」に連載された筒井康隆の短編小説集「家族八景」
ドラマには、倦怠期を迎えた医者と設計士の二組の中年夫婦が登場する。
医者の妻・直子(佐藤オリエ)は大柄で才気換発な女性であり、設計士の妻・秀子(白川由美)は
小柄でおっとりした内気な女性である。
医者の高木(山本学)は、利発だが、でしゃばりの直子より、隣の秀子にあこがれ、設計士の
市川(中丸忠雄)は、おしとやかだが、グズの秀子より隣の直子を好ましく思っている。
二人の妻も、やはり夫とはタイプの違う隣の主人に好意を持っている。
高木家のお手伝いさん七瀬は、いっそのこと二組の夫婦をそれぞれ浮気させようと企むのだが、
最終的に予想外の展開になってしまう。
多岐川裕美ふんするヒロイン七瀬は、四人の気持ちが、手に取るようにわかるテレパシー美女。
劇中では七瀬が入浴するシーンがあるのだが、彼女はシャワーを浴びるとテレパシーが働くらしい。
シャワー中に人の心が読めるというしくみは、どうもよくわからないが、どうやらこれは
(水戸黄門の由美かおるの入浴シーンみたいな)「ファンサービス」の一環のようだ。
一方、「白い巨塔」で良心的な医者を演じた山本学は、本作では「ぐうたら医者」を演じている。
内科医である彼は急患の往診には、居留守をつかって99%は断る。医学書は積んでおくだけ。
目を通すのは「医学会報」だけ。それも医師会の中で、自分の地位がどうなっているかだけに
関心があるという「白い巨塔」とは、月とスッポンの違いがある医者を好演している。
(制作)RKB(毎日放送)(原作)筒井康隆(脚本)キノ・トール
(配役)高木輝夫(山本学)高木直子(佐藤オリエ)市川省吾(中丸忠雄)市川秀子(白川由美)火田七瀬(多岐川裕美)
