新婚アルバム 1952年(昭和27年) ドラマ傑作選


1952年(昭和27年)2月15日、テレビ開局のほぼ一年前、世田谷区・砧にあるNHK 技研スタジオで
戦後第一作となる「新婚アルバム」という15分間の短いホームドラマが実験放送された。
脚本は、東宝の映画監督であった山本嘉次郎が、当時の制作条件の厳しさを考慮して書き上げたもの。
ストーリーは、会社員の今井(太宰久雄)と結婚したばかりのヒロイン・芳子(坂本和子)を訪ねて来た
親友の秋江(尾崎勝子)が、今井は私が以前につきあっていた男ではないかと不安になるというもの。
玄関と茶の間のシーンだけの一幕ものに近い構成だが、茶の間といってもお粗末な限りで、コンクリート
の上にござを敷いてごまかし、タンスもはりぼて。カメラも移動に不便な三脚式であった。
カット割りこそ33を数えたが、そのほとんどが上半身を撮るバストショットか、全身を撮るフルショット。
アップは手間がかかるとの理由からほとんどなかった。
仮設スタジオでの生放送で、外部の雑音が混入するという状況だったが、こうした演劇に近い、荒削りの
ドラマづくりは、最近のものにはない、良さがあったと指摘するむきも多い。
1952年から1953年にかけて、約40本のこうした実験放送ドラマが制作され、1953年 (昭和28年)2月1日、
テレビはようやく一般に向けた本放送を開始することになる。
(制作)NHK(脚本)山本嘉次郎
(配役)会社員・今井(太宰久雄)妻・芳子(坂本和子)芳子の親友・秋江(尾崎勝子)東京放送劇団
