新幹線公安官 1977年(昭和52年) ドラマ傑作選

新幹線に乗車する一人の女性の命がねらわれているとの電話が公安室のもとに掛かってきた。
電話は女からで、東京発八時ひかり3号に乗ることになっている料理学院院長・青柳和枝(吉行和子)が
小坂三郎(磯村建冶)というジーパンをはいた若い男に命をねらわれているという。
電話の主は自分の名前も理由も告げず切ってしまった。発車まで十分ほどしか時間がない。
公安室長(山村聡)の指示で、ひかり3号に乗り込んだ久我(西郷輝彦)ら四人の公安官は、
和枝が名古屋で下車することを調べ上げるが…。(第一話 ひかり3号の復讐)
一日230本もの新幹線(東海道・山陽 1977年)が種々雑多な人間を乗せて走っている。
そこには当然、犯罪に関わりのある人間が乗車することもあり、
様々な車内トラブルを引き起こす可能性をはらんでいる。
本作は、この社会の縮図ともいうべき新幹線を舞台に、鉄道公安官たちの活躍を描いたドラマである。
第一話は、ひき逃げで最愛の妻を失った男・小坂三郎が、犯人の替え玉を使って捜査の網を抜けた
真犯人の命をねらう話。
ねらわれたのは料理学院の女性院長で、その場所は、東京−名古屋間の新幹線車内と駅頭である。
妻のかたきを討とうとする男の気持ちにも説得力があり、ひき逃げ真犯人に公安官が
新幹線の運行記録を見せてアリバイをくずすところなど、見せどころが随所にあった。
また毎回新幹線の映像がふんだんに登場する本作は、サスペンスドラマファンだけでなく、
多くの鉄道ファンの心を捉えて大ヒット。1977年に放映された第1シリーズ全11話に引き続き、
1978年4月〜9月には第2シリーズとして全26話が放映された。
(制作)テレビ朝日(ANB)東映(脚本)長谷川公之
(配役)久我明(西郷輝彦)芝辻啓介(山村聡)乾信三(中谷一郎)桐山俊作(大阪志郎)高木健彦(三ツ木清隆)
佐々木弘(竹村洋介)丸山(葉山良二)丸山年子(篠ヒロコ)丸山梢(坂口良子)青柳和枝(吉行和子)小坂三郎(磯村建冶)
