少年ケニヤ 1961年(昭和36年) ドラマ傑作選
物語の舞台は、未開の地アフリカのケニア。
父親の操縦する飛行機が銃撃によって墜落し、ワタル少年はジャングルの中に一人で放り出されてしまう。
途方に暮れていたワタルだったが、ふとしたことでマサイ族の酋長ゼガを助け、行動を共にすることに。
ワタルに恩を感じたゼガは、酋長の座を息子に譲り、父親探しを手伝おうと決意するのだった。
原作は1951年(昭和26年)紙芝居作家の山川惣治が産経新聞に連載した同名の冒険活劇譚。
ケニアのジャングルで日本人少年が活躍するこの物語は、新聞に連載されるや、子供たちに絶大な人気を博し、
社会現象になるほどの一大ブームを巻き起こした。
10年後の1961年(昭和36年)当時ようやく普及しだしたテレビで実写ドラマ化。
新聞に連載された原作は、太平洋戦争がはじまり、英国植民地ケニアに駐在する商社マンの父は
拘束されるのを恐れ、ワタルを連れて自動車でアフリカ奥地に入った、という設定だった。
だがTVドラマが始まった時期、物語の対象は戦争の記憶を持たない戦後生まれの子供たちだった。
そこでワタルの父親は、アフリカの資源調査団の一員という設定に変更。
父親がセスナで飛行中、何者かに銃撃されて落下傘で脱出するが、離れ離れになるという筋書きになった。
「アフリカだ ジャングルだ ウー アッ」という掛け声が印象的なテーマソングは、井田誠一の歌詞に、
当時の新進作曲家いずみたくがキャッチーなメロディをつけている。音盤はビクターレコード。
(制作)テレビ朝日(NET)東映(原作)山川惣治(監督)仲木繁夫(脚本)松浦健郎
(配役)ワタル(山川ワタル) 父親・村上博士(中山昭二)ケート(関みどり)酋長ゼガ(岩城力也)
ロンダ(森るみ子)三魔神ガルゴ(山口勇)三魔神ザッケン(高原秀麿)三魔神オンドン(打越正八)
「少年ケニヤ」