ソープ嬢モモ子シリーズ 十二年間の嘘 1982年(昭和57年) ドラマ傑作選
唐沢モモ子(竹下景子)は、ソープ嬢をしてためた金で、郊外に50坪の土地を買った。
休みの日に土地を見にいくと、見知らぬ中年男・桜井(佐藤慶)が草むしりをしていた。
不審なままアパートへ帰ると、ヒモ気取りの村田(堀越大史)が変死していた。
警察に疑われたモモ子のアリバイを証明できるのは、その草むしりの男・桜井だけだった。
脚本は市川森一。マイホームにこだわる妻を殺害したという新聞記事にヒントを得て作ったという。
ある中年サラリーマンが、株に失敗して土地を売却してしまう。だが土地を売った事を家族に言えないまま、
ついに12年後、その土地に家を建てる話が進んでしまう。やむにやまれず、妻を殺害してしまった事件。
その土地の現在の所有者がソープ嬢のモモ子で、彼女も土地をめぐる様々な事件に巻き込まれてしまう。
サラリーマンが郊外に一戸建てを持つことを目標としていた頃の、まさに時代を反映したドラマである。
本作は、主演の竹下景子が、ソープ嬢に扮して話題を呼んだだけではなく、社会現象の深層をえぐる作風
が評価され、1982年度の芸術祭優秀賞を受賞した。
(制作)TBS(脚本)市川森一
(配役)唐沢モモ子(竹下景子)小野刑事(蟹江敬三)村田弘行(堀越大史)桜井(佐藤慶)その妻(岩崎加根子)