空飛ぶくじら (昭和47年 1972年)

街角にぼくはひとり  ぽつんと佇み
ビルとビルの隙間の  空を見てたら

空飛ぶくじらが  ぼくを見ながら
灰色の街の空を  横切っていくんです

そこでぼくはふと きみのことを思い出して
急ぎ足の通りを  渡るところ

作詞 江戸門弾鉄  作曲 大滝詠一

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大滝詠一。

1948年岩手生まれ。1970年「はっぴいえんど」でプロデビュー。サイドギターとボーカルを担当する。
「空飛ぶくじら」は「はっぴいえんど」時代のソロシングル。作詞の江戸門弾鉄は松本隆のペンネーム。

「はっぴいえんど」

エイプリル・フールの一員だった細野晴臣(b)と松本隆(ds)が大瀧詠一(g)、鈴木茂(g)と1969年にばれんたいん・ぶるうを結成。

1970年春にバンド名を「はっぴいえんど」に変え、本格的な活動を開始する。
1970年8月、4人はデビューアルバム「はっぴいえんど」をURCから発表。

通称「ゆでめん」と呼ばれるこの作品は、ウェスト・コースト系ロックに触発されたサウンドと、日本語で書かれた斬新な歌詞によって大きな衝撃を音楽シーンに与える。

とりわけ敏感に反応を見せたのが、英語で歌ってこそ日本のロックは海外に進出できると考えていた「英語ロック派」で、
「はっぴいえんど」を支持する「日本語ロック派」と対立。音楽性、精神性にまで踏みこんだ一大論争が巻き起こった。