そして誰もいなくなった 2017年(平成29年) ドラマ傑作選
白峰涼(仲間由紀恵)は、元水泳選手だが、現在は引退して家庭教師をしている。
彼女はあるとき、七尾審という資産家が所有する孤島のホテルに招待される。
島のホテルに到着すると、彼女をはじめ、十人の男女が招待客になっていた。
だが、肝心のオーナーである七尾氏の姿がない。
期待と不安の中で、皆が晩餐の食卓につくと、どこからか声が聞こえ始める。
その謎の声は、招待客十人の過去の犯罪を暴き立てる。
皆が恐怖に怯える中、客の一人が目の前で殺害されてしまう。
死因は、グラスに混入していた青酸カリによる毒殺だった。
犯人は外部の者による犯行か、それとも招待客の誰かなのか…?
イギリスの推理小説家・アガサ・クリスティの同名小説をドラマ化したもの。
物語は、孤島にあるホテルに招待された十人の客がひとりずつ殺されていく。
遂には十体の遺体が発見されるという不可解な連続殺人事件に発展する。
原作通り、犯人も含め、最後は誰もいなくなるのが、本作の最大の見せ場となっている。
この点で、歴史に残る古典的名作に、十分な敬意が払われた良質なドラマといえる。
だが、誰もいなくなると、謎解きをする人物もいなくなり、推理ドラマとならない。
そこでドラマ化に当たり、原作にはないオリジナルのキャラクターが登場する。
事件の謎解きをするべく島にやってきた刑事・相国寺竜也(沢村一樹)だ。
しかし彼は、いわば横溝正史の推理小説に登場する探偵「金田一耕助」と同じく、
狂言回し的な存在であり、犯罪を未然に防ぐことはできない。
唯一、既に終わった事件の謎を観客に解き明かすことだけが、彼の役割なのである。
(制作)テレビ朝日(EX)(原作)アガサ・クリスティ(脚本)長坂秀佳
(配役)白峰涼(仲間由紀恵)磐村兵庫(渡瀬恒彦)門殿宣明(津川雅彦)神波江利香(余貴美子)
ケン石動(柳葉敏郎)星空綾子(大地真央)五明卓(向井理)久間部堅吉(國村隼)翠川信夫(橋爪功)
翠川つね美(藤真利子)相国寺竜也(沢村一樹)多々良伴平(荒川良々)ナレーション(石坂浩二)