サンセット77 1960年(昭和35年) ドラマ傑作選
サンセット通りにある探偵事務所に一人の女性が訪ねてくる。
キングスレーと名乗る彼女は、盗撮写真をバラまくと男に脅迫されているという。
所長のスチュアートは、その男の名を聞いて驚く。
探偵事務所の顧客の一人である、脚本家のディクソンだった。
女性を帰したあと、スチュアートはディクソンのオフィスに向かう。
だが、あいにく彼は留守だった。
事務所に戻ったスチュアートは再び驚く。
なんとディクソンが何者かに殺害され、そこに倒れていたのだった。
ハリウッドのサンセット通りにオフィスを持つ私立探偵コンビ、スチュアートとジェフが、
様々な犯罪調査に活躍する都会調クライム・サスペンス。
昭和35年、ようやくテレビが家庭に入り始めた頃、アメリカの輸入番組が数多く放映されていた。
代表作は、「ララミー牧場」「ローハイド」「アニーよ銃をとれ」「ボナンザ」「ガンスモーク」
「名犬ラッシー」「うちのママは世界一」「サンセット77」「未知の世界」など。
まさに西部劇あり、ホームドラマあり、探偵ものあり、ミステリーありの賑やかさだが、
中でも「サンセット77」は、スマートで洒落た探偵ものの魅力で視聴者をひきつけていた。
主演の二人のほかに、実在のレストラン「ディノのロッジ」の駐車場係クーキーと、
葉巻をくわえて登場する競馬評論家ロスコーがレギュラーとして、時折事件の解決を
手助けするという筋立てになっていた。
この駐車場係クーキーがおしゃれで、いつもリーゼントの髪を、くしでとかしている。
いかにも明るいアメリカの代表的な若者という印象だった。
とりわけドラマの中で次々と登場するゴージャスなアメ車の数々は、当時の繁栄する
アメリカそのものを体現していた。
一方、当時の日本は、戦後復興期のまだまだ国民の生活が苦しい時代であった。
彼らは、まだ見ぬ遠いアメリカの雰囲気を、こうしたドラマを通じて知ったのだ。
当時の日本人にとって、ドラマに登場するアメリカン・スタイルは、全てが目新しく
ぜいたくで、キラキラと輝いて見えたのである。
サンセット77(77 Sunset Strip)(制作)WB/ABC(アメリカ)(放映)KRT
(配役)スチュアート・ベイリー(エフレム・ジンバリスト・Jr)(声:黒沢良)
ジェフ・スペンサー(ロジャー・スミス)(声:園井啓介)スザンヌ(ジャクリーヌ・ビア)(声:丹羽たかね)
クーキー(エド・バーンズ)(声:高山栄)ロスコー(ルイズ・クイン)(声:島宇志夫)
ジーン・キングスレー(ジャンヌ・クーパー)チャールズ・ディクソン(ピーター・ブレック)