すてきな片想い 1990年(平成2年) ドラマ傑作選
食品会社に勤める与田圭子(中山美穂)は、ちょっと地味で平凡なOL。
ある朝、電車に乗り遅れそうなところを、向かいに住む俊平(柳葉敏郎)
に助けてもらい好感を抱く。
だがその直後、車内で派手に転んでバックの中身をぶちまけてしまう。
さらに、スカートのファスナーが全開していたのを見られ、笑われてしまう。
そんなドジな圭子は男性にもオクテだった。
やっと出社した圭子は、同僚の友美から一人の男性を紹介される。
自分を変えようと、友美から紹介された男性に、思い切って電話をかけてみた。
すると意外にも意気投合、実際に会うことに。
だが、待ち合わせ場所にいたのは、電車内のドジな失敗を一部始終みていた俊平だった。
恋愛に臆病なごく普通のOL・与田圭子と小さなおもちゃ会社に勤める野茂俊平の不器用な
恋愛模様を中心に、個性豊かな男女が加わり繰り広げられるラブコメディ。
その恋模様は、ヒロインの圭子が、恥ずかしさから電話で「林なな」と偽名でやり取りするなど、
常にもどかしさであふれ、視聴者は毎週やきもきしながら二人の恋を応援していた。
脚本は「君が嘘をついた」(1988年)で連ドラデビューしたばかりの野島伸司によるもの。
電車で転んだ出会いのシーンから、クリスマスのハッピーエンドに至るまで、その細やかな
感情の機微にあふれた台詞の数々は、ラブコメディのお手本のような出来栄えである。
本作の好評を受け、同じく恋愛のもどかしさをテーマに制作された「東京ラブストーリー」(1991年)
さらに同年の「101回目のプロポーズ」とあわせ「純愛三部作」と位置づけされた。
(制作)フジテレビ(脚本)野島伸司
(配役)与田圭子/林ナナ(中山美穂)野茂俊平(柳葉敏郎)潮崎豊(石黒賢)仁科友美(和久井映見)落合妙子(相原勇)