大河ドラマが生まれた日   2023年(令和5年)       ドラマ傑作選

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1962年、NHKのAD山岡(生田斗真)と上司の楠田(阿部サダヲ)は、局長(中井貴一)に、

映画に対抗出来る「大型娯楽時代劇」を作るよう命じられる。


この当時、各映画会社は「五社協定」を結び、専属俳優をテレビに出さないことにしていた。


それを突破すべく、山岡たちは映画界の大スター佐田啓二の自宅に日参して出演を頼み込む。

しかし何度足を運んでも色よい返事はもらえなかった…。



大河ドラマ60周年記念ドラマ。第一作の大型時代劇「花の生涯」の制作に情熱をかけた人々を描く。





「花の生涯」は、1952年「毎日新聞」に連載された船橋聖一の同名歴史小説。幕末の動乱を背景に、

大老・井伊直弼の波乱の生涯を描いたもの。ドラマのスタートは、1963年(昭和38年)4月2日。

尾上松緑、佐田啓二、淡島千景ら、歌舞伎や映画界から大物スターを集めての豪華な幕開けとなった。


当初、ドラマ化に当たって、原作の船橋氏から条件が一つ出された。ヒロインで、三味線の師匠・おたか

の役を淡島千景にしてほしい、というものだった。おたかは、直弼とその友人の長野主膳と関係を持ち、

やがて幕府のスパイとして体を張るという重要な役どころ。


「花の生涯」は、この10年前、松竹で映画化されていた。直弼が松本幸四郎、主膳に高田浩吉という配役、

そしてこの時、おたかに扮したのが淡島で、船橋氏が絶賛する好演だったのだ。


6度目の交渉でようやくOKしてもらったという大物、尾上松緑との出演交渉も大変だったが、主膳役の

佐田啓二もなかなか首を縦に振らない。何しろ松竹の看板スターで、テレビ出演も初めて。


「時間に追われるテレビドラマはまったく自信がなかった」こともあったが、特に「かつら姿」が気に

なったという。以前に時代劇に出演して、かつら姿が不評だったことを気にしていたのである。


そこで一計を案じたスタッフがあの独特な学者姿のかつらを考え出し、佐田の自宅を訪ねて扮装させてみた。


この時、佐田の奥方の「わあ、似合う」に佐田はニッコリしたが、これは実は、スタッフと奥方とで示し

合わせた芝居だった。そうとは知らない佐田は、この一言で出演をOKしたという。



(制作)NHK(脚本)金子茂樹

(配役)山岡進平(生田斗真)楠田欽治(阿部サダヲ)大江育間(矢本悠馬)成島庭一郎(中井貴一)渕上明恵(松本穂香)

渕上憲明(伊東四朗)佐田啓二(中村七之助)淡島千景(ともさかりえ)おでん屋・吉種(イッセー尾形)楠田美登理(倉科カナ)


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