寺内貫太郎一家   1974年(昭和49年)       ドラマ傑作選

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舞台は東京・谷中。三代続く石材店・石貫には、寺内貫太郎(小林亜聖)を一家の主に、
妻の里子、長男・周平、長女・静江、そして貫太郎の母親・きん(悠木千帆)が暮らす。


同じ屋根の下には、お手伝いのミヨコ(浅田美代子)、職人のタメさん、岩さんなども
生活を共にしている。


家族もさることながら、体重百キロの巨漢・貫太郎のワンマンぶりが、一段とにぎやかだ。
怒りっぽくて、口より先に手が出る。

加えて、若いエネルギーを持て余している浪人生の周平(西城秀樹)もいて、家の中は
しょっちゅうドタバタしている。


だから、夕飯の食卓で、貫太郎が手を振り上げて立ち上がると、家族はみんな慣れたもので
ちゃぶ台を部屋の隅にさっさと非難させるのであった。




芝居の経験がまったくなかった小林亜星を主役に抜擢し、下町の石材店を舞台にした人情喜劇。


毎回クライマックスは、貫太郎と息子・周平(西城秀樹)との取っ組み合いの大喧嘩であった。

ちなみに、ミヨコ(浅田美代子)が貫太郎に投げ飛ばされるシーンはパンツが見えて話題に。


さらに「ジュ、ジュリー!」と沢田研二のポスターを見ながら腰を振る貫太郎の母きん(悠木千帆)
など、同作からは今も語り草になる名場面がいくつも生まれた。


その一方で、老いや孤独など、シリアスな要素も描かれていた。

石工のタメさん(左とん平)や岩さん(伴淳三郎)のとぼけた掛け合いや、「お涼さん」と
サングラスの向こうでつぶやく藤竜也など、キャスティングの妙が冴えを見せた。


期間平均視聴率は、31.3%を記録。好評を受けて、翌年放送された第2シリーズも
平均視聴率22.4%をマークするほどの国民的ドラマとなった。
   

 
(制作)TBS(原作)向田邦子(演出)久世光彦

(配役)寺内貫太郎(小林亜星)きん(悠木千帆)岩さん(伴淳三郎)静江(梶芽衣子)里子(加藤治子)周平(西城秀樹)
ミヨコ(浅田美代子)タメさん(左とん平)倉田(横尾忠則)花くま(由利徹)上条(藤竜也)お涼(篠ヒロコ)



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