時計屋の娘   2013年(平成25年)       ドラマ傑作選

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地方の寂れた商店街の一角にある小さな時計店。

店主の 秋山 (國村隼) は、腕の良い時計職人だが、最近、視力に違和感を覚え、店じまいも考えていた。


そんな秋山の元へ、若い女性・リョウ (沢尻エリカ) が、古い腕時計を修理してほしいとやって来る。

その時計は年代物で一見修理は不可能に思えたが、リョウの切実な様子を見た秋山は修理を引き受ける。


数日後、再び店を訪れたリョウは意外なことを秋山に語る。

その古い時計は、二年前、石巻で津波に襲われたリョウの母親の形見だという。


なぜかその時計に見覚えのあった秋山は、母親の名を聞いて驚く。かつての秋山の恋人だったからだ。

すると突然、リョウが秋山に問いかける。「あなたは私のお父さんじゃありませんか…」





約一年半ぶりのドラマ主演となった沢尻エリカは、文字通り、清楚でピュアなヒロインを演じ、

新たな役柄への挑戦で女優としての新境地を披露している。


ヒロインが、津波で亡くなった母親の形見の腕時計の修理を依頼することから物語が展開する。

母親が生涯独り身だったことから、ヒロインのリョウは時計職人の秋山を自分の父親と思い込む。

秋山はそんなはずがないと思いつつ、心が揺れる。


ドラマは、初老の時計職人・秋山(國村隼)と、突然訪ねてきた娘を名乗るリョウ(沢尻)との間で

親子の感情が芽ばえ、深い心のつながりができる過程が丁寧に描かれている。


伸びやかに演じる沢尻を國村がしっかり受け止める。次第に心を通わせていく二人の演技は絶妙だ。


(制作)TBS(脚本)池端俊策

(配役)宮原リョウ(沢尻エリカ)秋山守一(國村隼/中村勘九郎)花村司(桐谷健太)
友保(小林稔侍)国木知花子(木村文乃)町内会長(浅見小四郎)


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