とんま天狗 1959年(昭和34年) ドラマ傑作選
とぼけた風貌に丸眼鏡、ご存じとんま天狗(大村崑)は、鞍馬の山奥で修行を積んだ剣の達人。
山を下りた天狗は、勤皇の志士・桂小五郎を助けたことから、敵である珍選組と対峙することに。
珍選組の近藤勇三(芦屋小雁)や土方大三(芦屋雁之助)は、部下を引き連れ、とんま天狗に挑む。
だが、剣の腕はめっぽう強い天狗の敵ではなかった。毎回バッサリと斬られてしまうのであった。
ドジでお人よしのとんま天狗が、珍選組を相手に様々なお惚け珍騒動を繰り広げるパロディ時代劇。
その名前のとおり「とんま」で、驚くとメガネがズリ落ちるのが特徴。
だが立ち回りのときは颯爽となる、といったわかりやすさが子どもたちに大ウケだった。
また、近藤勇三を演じた芦屋小雁の圧倒的なアホぶりと、毎回斬り捨てられて「斬られたヨー」
というギャグの怪演はいまでも真似されるほどである。
原作者で演出もつとめた花登筺自身に「今から考えると冷や汗の出るようなつまらない番組」
と言わせるほどの傑作アチャラカ番組だった。
大塚製薬の一社提供だったため、主演の大村崑は「オロナイン軟膏」などのCMに出演。
1965年(昭和40年)から「オロナミンC」のCMがスタート。
昭和40年代には街中に同商品を手にする看板が設置された。
(制作)日本テレビ(YTV)東宝、劇団笑いの王国(原作・脚本)花登筐
(配役)とんま天狗/尾呂内南公(大村崑)雁六/土方大三(芦屋雁之助)近藤勇造(芦屋小雁)千吉(大屋満)
姫(芦田まゆみ)淡路守(谷口完)お柳(双葉弘子)白子屋の女将(鮎川十糸子)その倅平太(小原新二)
黒田屋の亭主(花村頓)その倅源次(花紀京)