取調室 1994年(平成6年) ドラマ傑作選
佐賀のホテルで大学生の撲殺体が発見された。
状況証拠から、息子を残し宿を出た大学教授の父・小田垣(田村高広)に容疑が向けられる。
数日後、小田垣は仙台で逮捕された。
取調官は「落としの達人」の異名を持つ水木正一郎警部補(いかりや長介)だった。
だが小田垣は、完璧なアリバイを盾に、よどみなく証言を繰り返すばかり。
長期戦を覚悟した水木だが、拘留期限が刻一刻と迫る。
1993年「小説宝石」に連載された笹沢左保の同名小説のドラマ化。
いかりや長介演じる主人公の水木正一郎は、定年間際のベテラン刑事。
熊本の私立大学卒業後、佐賀県警に奉職。一貫して捜査畑で働いてきた叩き上げだ。
取調室という密室の中で、この老刑事・水木が被疑者を追い込んでいく。
老刑事は、机を強く叩いたり、無理やり自白に追い込むことはない。
取調室での会話は世間話のごとく穏やかであり、まさに肚の探り合いである。
その緊張感に満ちた会話の駆け引きが、本作の最大の見どころとなっている。
そんな密室の会話劇が人気の要因となり、本作は1994年から2003年まで9年間、
全19作ものロングラン・シリーズとなった。
なお、原作者の笹沢左保は、いかりや長介の迫真の演技に感動し、途中からは
原作もいかりやをイメージして書くようになったという。
また、1998年「取調室9」では、笹沢左保が本人役としてドラマに登場。
念願だったいかりや長介との共演を果たしている。
(制作)日本テレビ、宝映企画(原作)笹沢左保 (脚本)山田正弘
(配役)水木正一郎警部補(いかりや長介)御子柴良平刑事(西川忠志)小田垣光秀(田村高広)小田垣久子(中島ゆたか)
小田垣悦也(佐野智郎)石川康伸捜査一課長(西田健)古賀栄管理官(誠直也)唐沢峻一本部長(塚本信夫)
衣山刑事(及川ヒロオ)上原係長(水島涼太)小滝刑事(田嶋基吉)高井刑事(寺田英孝)