渡る世間は鬼ばかり   1990年(平成2年)       ドラマ傑作選

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岡倉家の当主・大吉(藤岡琢也)は、親会社を定年退職後、子会社の重役になる。

だが、人に使われない生活を夢見る大吉は、いずれは退職を考えていた。


そんな折、行きつけの小料理屋「おたふく」で、きんぴらごぼうの作り方を教わり、
心機一転、料理人を目指すことを決意する。


大吉は、長年勤めた会社を退職し「おたふく」で板前の見習いとして働くことになった。

だが、妻の節子(山岡久乃)は、そんな大吉の夢が理解できず、不満を募らせるのだった。




定年を迎えた夫婦と5人の娘たちの暮らしを通し、老後、共働き、嫁姑問題など
家庭をめぐる様々な問題をシリアスに描いた大家族ホームドラマ。


脚本の橋田壽賀子は、NHK「となりの芝生」(1976年)で、嫁姑バトルを描いた
辛口ホームドラマの世界を確立した。

本作でも、姑の小島キミ(赤木春恵)の嫁いびりが人気の一因となっている。


ドラマを通じて姑の「口撃」が炸裂。実家の都合で、嫁の五月(泉ピン子)が
一晩家を空けてから帰宅すると「朝帰りとはいいご身分」とばかりにピシャリ。

ついに疲れ果て「店を1日だけ休みたい」と嫁が申し出ると「あんたの都合で
勝手に決められちゃ、たまらない」とばかりに一蹴。


人間関係の難しさ、家庭の幸福とは何かを、丸20年にわたり問い続けた作品である。
本シリーズは平均視聴率18.2%、最高視聴率27.2%を記録した。
   

 
(制作)TBS(原作・脚本)橋田壽賀子(演出)石井ふく子

(配役)岡倉大吉(藤岡琢也)岡倉節子(山岡久乃)森山珠子(森光子)野田弥生[長女](長山藍子)小島五月[次女](泉ピン子)
高橋文子[三女](中田喜子)岡倉葉子[四女](野村真美)岡倉長子[五女](藤田朋子)

小島幸吉(佐藤英夫)小島キミ(赤木春恵)小島勇(角野卓造)小島眞(えなりかずき)山下久子(沢田雅美)野田良(前田吟)
野田あかり(山辺有紀)野田武志(岩渕健)山口太郎(船越栄一郎)



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