破れ傘刀舟(とうしゅう)悪人狩り   1974年(昭和49年)       ドラマ傑作選

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土砂降りの雨の中、掘っ立て小屋のような一軒の家で、叶刀舟(萬屋錦之介)が

治療にあたっていたところ、そこに顔見知りのスリの仙吉が逃げ込んできた。


仙吉は刀舟に財布をあずけると、また外に飛び出していった。

やがて外で悲鳴が起こり、仙吉は殺害されていた。


棺桶寺に帰った刀舟が、弟子の弥九郎(織田あきら)と共に財布を開けてみると、

中から義眼が一つと、家紋を五つほど描いた紙切れが出てきた。

だが二人には、その意味するところが分からなかった…。




萬屋錦之介ふんする八方破れの蘭医・叶刀舟が、その得意とする外科手術と無外流居合で

善人を救い、悪人を叩っ斬る、といった痛快アクション時代劇。


破れ傘刀舟の「破れ傘」は、もちろん名字ではない。あだ名だ。刀舟の仕事は医者である。

傘を破れたままにしておくというのは、貧乏の強調以外の何ものでもない。

つまり病人から薬代をたくさんとっていませんよ、傘を直す金すらないんですよ、と

彼は言いたいのである。


刀舟の口癖もまた有名だ。「手前ェら人間じゃねえ!叩っ斬ったる!」

おおよそ医者の言うセリフではない。

彼は正義感があまりにも強いため、平気で悪人を叩っ斬ってしまう。


本当なら奉行所からお咎めがあってもいいくらいなのに全くない。

恐らく奉行所も目をつぶっているのであろう。

本来は自分たちのやるべき仕事を、刀舟が代わりにやってくれているのだから、

仕方がないと思っているのかも知れない。


主演の萬屋錦之介はこの時期、NTV「子連れ狼」(主演)と掛け持ちで出演している。


子連れ狼のストイックな拝一刀から一変、「叩っ斬ったる!」と、怒りをあらわにする

赤ひげ顔負けの暴れ医者に変身するという、二つの錦之介を見事に演じ分けている。


脚本の土居通芳氏によれば、刀舟の「刀」は、拝一刀の刀を、「舟」は、同年の大河ドラマ

「勝海舟」の舟を頂戴したのだという。



(制作)NET、三船プロ(脚本)土居通芳、服部佳、津田幸夫

(配役)叶刀舟(萬屋錦之介)伊庭弥九郎(織田あきら)仏の半兵衛(桂小金治)稲妻のお蘭(江波杏子)

むっつりお竜(ジャネット八田)上総屋喜八(内藤武敏)仙吉(小沢直平)


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