夜の長い叫び 1989年(平成1年) ドラマ傑作選

広告代理店に勤める遊子(十朱幸代)は、やり手のキャリアウーマン。
保険会社の調査員である夫、洋介(細川俊之)とは、結婚7年目を迎え、
情熱は冷めながらも平穏な日常を装っている。
遊子が安らぐのは、雑誌編集長の今江(山城新伍)と過ごす時間だった。
しかしこの「大人の関係」も、やがて夫の洋介や、今江の妻である
女流作家の陽子(野際陽子)に知られてしまう。
そんな折、洋介の会社の保険に加入しているマレーシア在住の男が溺死。
事故か、それとも他殺か、調査するために洋介は現地へ飛ぶ。
そこで死亡した男の妻、亜希子(中原理恵)の美しさに洋介は理性を失う。
ドラマには、冷え切ってしまった二組の夫婦が登場する。
共通しているのは、双方とも妻がかなり成功したキャリアウーマンということ。
そして夫が、その妻の成功をあまり喜んでいないことである。
どうやら、夫婦間の冷えは、そこに源を発しているようだ。
結婚という制度のもとで、女性が経済力、すなわち支配力を持つと、
夫婦間にどのような変化が起きるか。
結婚は、その変化に耐えられるのか、という疑問を、本作は投げかけている。
登場人物たちの満たせない想いは、新たな恋で充足するのだろうか。
夫婦の実態は回復するのか。
物語は、こうした方向に沿って、サスペンスタッチで展開していく。
ところで、NHKドラマ初出演で、緊張しまくりと語っていた西城秀樹。
十朱幸代扮するキャリアウーマンに熱を上げる青年実業家という役どころ。
優しく誠実そうな好青年を演じており、なかなかの役者ぶりを見せている。
一方、十朱は「最近は未亡人とか、倦怠期の妻役ばかりでいやになっちゃうわ」
などとぼやきながらも、若い恋人役の西城に、まんざらでもなさそうだ。
(制作)NHK(原作)森瑤子(脚本)竹山洋
(配役)津本遊子(十朱幸代)津本洋介(細川俊之)今江恭作(山城新伍)夏陽子(野際陽子)
末永亜希子(中原理恵)見城等(西城秀樹)勢奈々子(結城美栄子)俵屋の親父(高原駿雄)
