戦後最大の誘拐 吉展ちゃん事件   1979年(昭和54年)       ドラマ傑作選

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東京入谷で村越吉展ちゃん(4歳)が自宅前の公園で何者かに誘拐された。

一週間後、犯人は母親を自宅近くに呼び出し、身代金50万円を奪って逃走。

警察は、犯人の脅迫電話の声をテレビで公開するなど、懸命の捜査を行ったが、

事件の解決は長引いた。



1977年、文芸春秋に掲載された本田靖春のノン・フィクション小説「誘拐」のドラマ化。

1963年に発生した事件を再現したもので、わずか50万円の金欲しさに誘拐殺人事件を

起こしたのはなぜか、ドラマは犯人の立場から描くことにより、犯人像に迫った。



当初、事件の捜査は難航したが、警察は名刑事といわれた平塚八兵衛(芦田伸介)を投入。

容疑者の一人で時計職人の小原保(泉谷しげる)を徹底した追及により、アリバイを

崩すことに成功、ついに犯行を自供させた。


本作は、八兵衛と小原の取調室での対決が最大の見せ場で、とりわけ小原を演じた

泉谷の迫真の演技が評判となり、性格俳優・泉谷の実質的なデビュー作となった。


26%という高視聴率を記録した本作がきっかけで、以降、2時間ドラマが乱立することになる。



(制作)ANB(テレビ朝日)S.H.P.(原作)本田靖春(脚本)柴英三郎

(配役)小原保(泉谷しげる)キヨ子(市原悦子)平塚八兵衛(芦田伸介)沢田(殿山泰司)

村越繁雄(北村総一郎)村越豊子(音無美紀子)村越吉展(島えいじ)


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