座頭市物語 1974年(昭和49年) ドラマ傑作選
峠道で、座頭市(勝新太郎)は、ひとり旅の初老の男(中村翫右衛門)と道連れになる。
故郷の足尾に帰る道すがらというその男は、世間から恐れられた一匹狼の渡世人だった。
彼が足尾に向かう理由は、かつての兄弟分が切り盛りする一家の支援だった。
銅の採掘を生業とするその一家は、新興の弥三郎(津川雅彦)一家の嫌がらせにより、
崩壊寸前の状態だという。 (第一話 のるかそるかの正念場)
見えぬ両目に仕込み杖、ご存じ座頭の市つぁんが「およしなせえ」と悪を斬る。
映画の大ヒットにより、勝新太郎の当たり役となった座頭市シリーズのテレビ化。
自らのライフワークとも云える「座頭市シリーズ」だけに、勝新の意気込みも相当で
スクリーンに負けぬみごとな殺陣を披露している。
やくざ渡世の裏街道を生きる陰惨な風貌の中に、悲しさと陽気さが入り混じる座頭市の
キャラクターは、折から戦後初の景気後退の世相にもマッチして人気を得た。
(制作)フジテレビ、勝プロ(原作)子母沢寛(脚本)高岩肇
(主題歌)勝新太郎「おてんとさん」(作詞:阿里あさみ、作曲:富田勲)
(配役)座頭市(勝新太郎)辰蔵(中村翫右衛門)弥三郎(津川雅彦)お新(土田早苗)権太(園田裕久)