疑惑   1992年(平成4年)       ドラマ傑作選

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富山市の新港埠頭で乗用車が海に転落、一緒に乗っていた資産家の夫は死亡したが

妻の球磨子(いしだあゆみ)は奇跡的に助かった。


球磨子は元ホステスで前科四犯。

しかも亡くなった夫には事故の半年前に三億円の保険金がかけられていたことから、

警察は保険金殺人と断定して彼女を逮捕する…。



九州の大分で実際に起きた三億円保険金殺人事件をヒントに松本清張が書いた問題作。





「これほどすさんだ女性は演じたことがない」と言ういしだあゆみの悪女役が見ものだ。


暗い過去を持つエキセントリックな球磨子、野心たっぷりの新聞記者・秋谷(石橋凌)、

人生の年輪を感じさせる国選弁護人・佐原(小林稔侍)の三人が迫力ある演技を展開する

話題作だが、中でもいしだあゆみの悪女ぶりが圧巻。


主演のいしだは、自分の人生にコンプレックスを持ち続けている球磨子を演じるにあたって、

生まれて初めてチリチリのパーマをかけ、派手な原色の衣装を身につけて撮影に入った。


「球磨子を演じて、自分自身がふだんより乱暴になっているのがわかった」とは本人の談。



(制作)フジテレビ、レオナ、霧企画(原作)松本清張(脚本)金子成人

(配役)白河球磨子(いしだあゆみ)白河福太郎(織本順吉)秋谷茂一(石橋凌)

佐原卓吉(小林稔侍)原山正雄(草薙幸二郎)藤原好郎(布川敏和)


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