黒革の手帖   1984年(昭和59年)       ドラマ傑作選

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元子(大谷直子)は、東和銀行の預金係を務めるベテラン行員。

平凡な職場で何となく婚期を逃してしまった元子だが、そんな変りばえのしない

生活から脱出するため、元子はある賭けに出た。


銀行には、医者など多くの資産家が、脱税のために架空名義の預金をしている。

元子は彼らの本名や預金高を黒革の手帳に克明に写し取っていた。


あるとき、彼女はそれらの架空名義口座から一億円の預金を勝手に引き出し、

それで銀座にバーを開店したのである。



まさに順風満帆の船出のように見えたのだが…。



行金横領、バー開店、金品強要 … 架空名義の預金者リストを武器に、

自らの野望を遂げてゆく女の姿を大谷直子主演で描く。


大谷直子は、松本清張ドラマには今回で四作目の出演になる。

1978年にNHKで放映された「天城越え」での演技が絶賛を浴び、これをきっかけに

松本清張氏から目をかけられ、その後も立て続けに清張ドラマに出演。


本作で大谷演じる元子は、上司の信頼を利用して行金横領に成功し、銀座にバーを開店、

平凡なOLからバーのマダムへと華麗な変身ぶりを見せている。



(制作)TBS、松竹(原作)松本清張(脚本)柴英三郎

(配役)原口元子(大谷直子)元子の父(高城淳一)元子の母(和泉喜和子)「燭台」のママ(大森暁美)

支店長(御木本伸介)村井亨(谷啓)浜中(多々良純)楢林謙治(戸浦六宏)山田波子(奈良富士子)


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