小説モーニング娘。 第一章 「〜プロローグ〜 愛の種」    

「お前ら、ホントにデビューする気あるのか!」
自信喪失気味の5人に向けてプロデューサーのゲキが飛んできた。

「CDが売れんかったら、お前らの未来はないんや。
何がなんでも石にかじりついても5万枚完売するんだ!」

1997年10月26日。モーニング娘。「愛の種」発売まであと8日。
髪の毛をバッサリ切ってしまった中澤裕子をはじめ、ここへ来て全員が危機感を抱いていた。
そんな5人をつんくが再び招集。5人それぞれと面談を行った。
そのつんくとの対談で改めて決意を固め、自信を取り戻したモーニング娘。
積極的にPRに取り組むことになった。

まず、安倍なつみ、飯田圭織、石黒彩が地元テレビに生出演して「愛の種」をPR。
中澤と福田は「愛の種」発売当日に世話になる各レコード店に挨拶回りを行った。
さらに、各店のカウンター前でチラシ、パンフレットを配った。
福田「本当に一人でも多くの人、CDを買いに来て下さい」
中澤「皆さんが来るのをずっと待ってます。心から待ってます。買いに来て下さい。よろしくお願いします」

さらに中澤は、かねてから知り合いの大学の学園祭に出演できないかと交渉、また久しぶりに帰ってきた自宅でも、知人に手当たり次第電話でPRしたという。

ついに明日11月3日、「愛の種」発売初日を迎えることになった。
あまりにもひたむきなモーニング娘。自分たちの夢に向かってただひたすらに前向きに頑張ってきた5人の乙女たち。
矢のように過ぎ去った前準備の2カ月を経て、到着した5万枚の「愛の種」を目の前にして彼女たちの胸は期待と不安で一杯であった。

さて、モーニング娘。5日間で5万枚完売してデビューなるか、それとも...。