小説モーニング娘。 第二章「モーニングコーヒー」    

11月2日、「愛の種」発売の前日、5人は大阪へ到着した。
かねてから中澤が要請していた摂南大学の学園祭に参加した後、人通りの多い市内で大声を張り上げて街頭PR。
しかしモーニング娘。を知らない人が多く、ほとんど素通り状態が続いた。

福田「明日、人が全然来なかったらどうしようって考えてしまって・・・。」
飯田「自分ではしっかりやってきたつもりなんですけど、やっぱり不安です。」

深夜12時、5人は某ホテルの一室でサイン書き作業を遅くまで続けた。
昼間の疲れと不安から全く一言も話すことなく...。

そして1997年11月3日、発売日当日、会場は大阪HMV心斎橋。
会場入りのために地下鉄心斎橋駅の階段を上るモーニング娘。
彼女たちの目に飛び込んできたものは...。
フラッシュの嵐、そしておびただしい数のファンの行列であった!。
それは時間の経過ととともに伸びてゆき、なんと最長で隣の駅まで1500mもの長さにまで達したという。
これだけ大量の客が集まればCDの売上げも驚くべき数字となった。16,600枚! 予想外の成功に抱き合って喜ぶモーニング娘。

中澤「ほっとしました・・・。」
安倍「たくさんの人が来てくれて、泣きそうになりました。うれしかった・・・。」

これで勢いづいたモーニング娘。続いての福岡では 9,400枚、札幌で 14,853枚と驚異的な数字を弾き出した。
そしてついに、彼女たちにとって一生涯忘れることなどできようはずもない、その時がやってきた。
1997年11月30日午後2時31分、ナゴヤ球場にて「愛の種」5万枚完売を達成。

5人はその瞬間、お互いに駆け寄り、泣きじゃくった。
後から後から涙が溢れ出て止まらなかった。彼女たちはもはや、ふつうの女の子の姿だった。
そして、この奇跡の瞬間とともに「モーニング娘。」という壮大な物語のすべてが始まったのである。