小説モーニング娘。 第四十一章 「赤い蝶」 Top Page
モーニング娘。× 宝塚コラボ 第2弾 記念ファンタジー 「赤い蝶」
お城に到着し馬車から降りると、運転手にチップを渡してポーシャは舞踏会へと向かいました。
お城の大広間では、美しく着飾った令嬢たちが、楽しく踊っていました。
美しいドレスも持っていないポーシャは、広間の隅っこでひっそりとしていました。
と、そのとき、どこからともなく一匹の蝶が姿をあらわしました。
いえいえ、ただの蝶ではありません。全身がまっ赤に輝いているとても大きな蝶なのです!
王さまが立ちあがって叫びました。
「この赤い蝶こそ、最も美しい女性を求めるといわれる伝説の蝶にちがいあるまい。
この赤い蝶を捕らえた方を、わが王子の妃 (きさき) に選ぼう!」
さあ、広間は大騒ぎです。
令嬢たちは、なんとか 「赤い蝶」 を捕らえようと、けんめいに両手をのばしました。
けれども 「赤い蝶」 は、その騒ぎの中を、風に舞う赤い花びらのように悠々と飛んでいました。
ポーシャは、ひとりポツンと、この騒ぎを見つめていました。
(ポーシャは赤い蝶に興味がなかったのでしょうか?
いえいえ、そうではありません。彼女としては単に面倒くさかっただけでした )
ふと、ポーシャは肩をたたかれ、驚いてふりむきました。
すると、そこには、王さまが立っていました。
「どうして、あなたは、あの蝶を捕らえようとしないのですか?」
从;^ー^) <だって、私より美しい方は、たくさんいらっしゃいますもの・・・
(ポーシャはほんとうに心からそう思っていたのでしょうか。
いえいえ、そうではありません。とっさに口から出た心にもないきれいごとでした)
王さまは、にっこり笑われました。いつのまにか王子さまもそばに来ていました。
「あなたこそ、この王子の妃になるにふさわしい人だ」 王さまは満足そうに言いました。
「ボクが父上にお願いしたんですよ。舞踏会で赤い蝶を放ち、誰が最も妃にふさわしいかを知るために」
「そう。そして、この世で最も美しいのは、謙虚で美しい心を持った人なのです」
王さまも、そういいました。
こうしてポーシャと王子は結婚しました。
結婚式には、お城の人々だけでなく、 モーニング娘。やシンデレラ、白雪姫など、
ポーシャの友人たちもおとずれて、 二人の幸せを祝福しました。
ところでその後、ポーシャと王子はほんとうに幸せになったのでしょうか。
いえいえ、そうではありません。
幸が薄く、おまけに性格がグダグダでアホ全開の彼女と結婚して幸福になれるワケがありません。 チヤンチヤン