1月8日    バッカスの弟子たち  (2)    ソクラテス (Socrates)                     
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ソクラテスは、終日、働きもせずにブラブラしていました。

広場に青年たちを集めては、論争をふっかけ、屁理屈で、青年たちの鼻をへし折ることに、教育的快感を味わっていました。

たとえばこんなふうです。

「友人にウソをつくことは正しいか、不正か?」

相手は答える。「それは不正である。」


さらにソクラテスは質問します。

「では、病気の友人に薬を飲ませるためにウソをつくのは正しいか、不正か?」

相手は答えます。「それは正しい。」



                 



そうすると、ソクラテスはここぞとばかりに突っ込むのです。

「あなたは、先ほどはウソをつくのは不正と言い、今は正しいと言った。

一体、ウソをつくのは正しいのか不正なのか、どちらなのかね?」

きかれた方は困りますよね。「うーん、そういわれると私にはもう分からない。」


ここで、引き下がればいいんですがソクラテスは追い打ちをかけます。

「あなたは、何が正しいことで、何が正しくないかを知らないのに、今まで知っていると思っていたんですね。」


ソクラテスがすごいのは、哲学が、屁理屈であることを徹底的に実行したことです。

ひとつの見方や生き方しか通用しないのは、息苦しいものです。

屁理屈がそれを破ると、彼は考えたのです。

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妻をめとらば

ソクラテスの妻は悪女で有名だったから、彼はきっと結婚にこりていると思えるが、

そのじつ、彼はいつも青年たちに言うのだった。

「結婚しなさい。良い妻をめとれば幸福になれるし、悪妻をめとれば哲学者になれるからね」