1月18日  バッカスの弟子たち (3) アレクサンドロス
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アレクサンドロス(Alexander)が、東方遠征に出発して間もなくのこと。
彼は、ゴルディオン(Gordion)という街で奇妙な伝説を耳にします。

「ゴルディオンの結び目を解いた者はアジアの王になる」

ゴルディオンの結び目とは、特殊な方法で繋がれた牛車の結び目のこと。
この結び目を、うまく解くことができれば、アジアの支配者になれるというわけです。

多くの勇者が、この「ゴルディオンの結び目」に挑戦しました。
しかし、結び目が分からぬほど固く結んであったため、誰も解くことができなったといいます。

そこへ、アレクサンドロスは進み出てきます。
なんと、彼は結び目を、剣で一刀両断してしまいました。

アレクサンドロスは、その場にいた群衆に宣言します。
「我こそが全アジアを治める王となるであろう!」

アレクサンドロスは、遠征の際に、博物学者や測量士、建築家などを伴っていたといわれています。
彼は新たに征服した領土に、自分の名まえをとって、アレクサンドリア(Alexandria)という都市を建設しました。

この新しくつくった都市に誰が住むかというと、アレクサンドロスがギリシアから連れてきたギリシア兵達に住まわせました。
中央アジアに近いアレクサンドリアに住んだギリシア人達は、現地の人々と結婚してやがて土地の人たちに吸収されていきます。


               



また、アレクサンドロス自身もペルシア王族の女性を妻にしました。
彼は、かって敵対していた人々と、共に栄える共存共栄の統治方法をとったのです。

古代のギリシア人にとっては「ポリス」は命をかけて守るべきものでした。
また、ギリシア人以外の人々を「バルバロイ」(Barbaroi 野蛮人)とよんで軽蔑しました。

しかし、アレクサンドロスは、このような考えは否定したのです。
彼は、民族などをこえた人間そのものを大切にすること、それができる国こそが繁栄するのだと考えたのです。

ローマの歴史家アリアノス(Arrian)の「アレクサンドロス遠征記」(The Anabasis of Alexander)は次のように記されています。

「諸国をアレクサンドロスが秩序よく統合できたのは、他のどんな施策にもまして、まさしくこの厳正なやり方のおかげだった。
アレクサンドロス王権の下にあっては、支配される側が、支配する側から不正不当な扱いを受けるといったことは、まったく許されなかった」

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砂漠の水

インド遠征からの帰路、アレクサンドロスの本隊は不毛な砂漠を行軍してペルシア本国へ向かった。

兵士たちが飢えと渇きに苦しんで倒れていく中、一人の兵士が王のために一杯の水を見つけてきた。

しかしアレクサンドロスは「私は皆と共に渇きに苦しむ方を選ぶ」といって水を捨てた。