1月18日     鏡の国のアリス   (ハンプティ・ダンプティ)         コラム (ビタミンの話)                                     
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ハンプティ・ダンプティは、高い壁の上に足を組んで座(すわ)っていました。

「まあ! たまごにそっくり!」

「たまご呼(よ)ばわりされると、まったく頭にくる」
「あら、あたしは、たまごに『そっくり』だって言っただけです」アリスは、あわてて話題を変えました。

「こんなところでなぜひとりで座(すわ)っていらっしゃるの?」
「なぜって、ひとりしかいないからさ!」 

そして、落ちたらたいへんよ、と心配するアリスにむかって、ハンプティは、こう言いました。
「王様の馬と兵隊が、すぐさまわしを起こしてくれるんだ。」 

そういうと、ハンプティ・ダンプティは顔いっぱいに口を広げて、にたっと笑いました。
「ところで、おまえの名前と、それから年はいくつか言ってみな」

「名前はアリスで――」
「聞くからにまぬけな名前だな!」 ハンプティは、短気そうに口をはさみます。

「年は七歳と六か月よ」
「七歳と六か月だと!」 ハンプティ・ダンプティは、考えこむように言いました。

「落ち着きのわるい年ごろじゃな。わしに言わせてもらえば 『七歳でやめとけ』 と言っとっただろうな ・・・ だが、もう間に合わんわい」
「人は大きくならずには いられないでしょう?」 アリスはいぶかしげに聞き返しました。

「ひとりでは、まあ、できまいね。でもふたりならできるさ。ちゃんとだれかに手伝ってもらえば、おまえも七歳で成長を止められたかもしれんぞ」
「まあ!」 ハンプティ・ダンプティの言っていることがよくわからないアリスは、ほかに言うことが思いつきませんでした。

そのあと、ハンプティと別れたアリスは、森に響(ひび)きわたる大きな音を聞いて、ハンプティが壁から落ちたことを知るのでした。

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