2月20日 ドルイド (Druid) |
ドルイドは、古代ケルト人(Celts)の宗教指導者である。
彼らは王の政治顧問として、ケルト社会の最上位を占める階級をなし、
宗教と占星術のほか、裁判や若者の教育、病気の治療などにあたった。
世襲制ではなく、ドルイドを志願する若者は、長期の修練の期間を経て、
伝承された秘儀的知識を習得しなければならなかった。
古代、イギリスの地はブリタニア(Britannia)と呼ばれ、ケルト人が居住していた。
彼らの話す言語(ケルト語 Celtic)から、原住地は黒海沿岸の草原地帯と推定される。
ケルト人は、紀元前700年頃にはブリタニアに定住を完了し、主として農業を生活手段とし、
神事をつかさどる司祭(ドルイド)、戦士、農民による階層社会を形成していた。
彼らは自然物を神々として崇め、崇拝の対象は、泉や森、岩山にまで及び、それらが聖地とされた。
ブリタニア南部に見られるストーンヘンジは、精緻な天体観測に基づいて建てられた太陽神殿である。
ドルイド祭司たちは、驚異的な精度で天体の運行規則を把握しており、太陽暦を使用し、また閏日の
存在も認識していた。
さらに、日食、月食がいつ起こるかすらも、観測から割り出していたのである。
(The Encyclopedia Britannica)
サウィン祭 (Samhuin)
ハロウィン(Halloween)は、もともと古代ケルト人の収穫を祝う祭である。
ケルト社会では、サウィン(Samhuin)の祭と呼ばれていた。
彼らにとって新年の始まりであり、収穫祭であると同時に、悪霊を払う祭だった。
10月31日の祭の始まりでは、ドルイド達が、かがり火の周りで作物と動物の生贄をささげる儀式を行った。
11月1日の朝になると、ドルイド祭司は、祭事に使ったたき火の燃えさしを各家庭に配った。
この燃えさしでかまどに火を付け、この火が魔除けの焚き火として悪霊から各家庭を護る働きをしていた。
というのも、この時期には「この世」と「霊界」の門が開き、ふたつの世界が行き来できるようになる
と考えられていたからである。
サウィンの風習は、ケルト人が自然信仰からキリスト教へと移行した後も根強く残っていた。
しかし、キリスト教は、この祭りを、亡き聖人たちを祭る「万聖節」(All Hallows Day)とすることによって、
この祭りを完全に取り込んでしまった。
ハロウィンの語源は、「万聖節」の前夜(Eve)の意味であり、「All Hallow Eve」が縮まって
「Halloween」になったとされている。