アリスの目のまえを、白ウサギがあわてて走っていきます。
どんどん走り続けて、すばやくひとつのドアの中に飛びこんだ。
「これじゃお菓子を食べる時間に間に合いっこないよ」
その言葉を耳にしたアリス、自分もドアの中に入りたくてたまらない。
けれどもドアは小さすぎて、まったく入ることはできません。
アリスは悲しくなって、わんわん泣き出した。
ふとテーブルの上に小さなビンがあるのに気がつきます。
ビンの口の近くに紙のラベルが貼(は)ってある。
「ジュースを飲んでね!」 紙にはそう書かれていた。
「あら! ずいぶんおいしそうね」
アリスはジュースを取って、ごくごくと飲みほしてしまった。
すると、不思議なことが起こりました。自分の体がどんどん縮(ちぢ)んでいくではありませんか。
ふと気がつくと、自分の流した涙の池の上にぽっかりと浮かんでいた。
ばしゃばしゃ、ばしゃばしゃ。あれ? まわりを誰かがおよいでいる。
見ると、アヒルやドードー鳥、ネズミやリスなど、いろいろな動物たちがいます。
びっくりしたアリスは、大きな両目を見張って彼らを見つめるのでした。
どうやら、みんなも、涙の池にはまっちゃったらしい。
まもなく、アリスと動物たちは高い場所にたどりつくことができました。
池からあがると、さっそく動物たちが、アリスのまわりにあつまってきた。
でもみんなびしょぬれ。どうやって体をかわかそうか、話しあいがはじまった。