3月13日    エルツ城  (Burg Eltz)
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西洋中世の城は、敵の攻撃をはね返すための要塞だった。

建物はぶ厚い石壁で築かれ、一、二階には窓すらない。

領主が住んだのは、上の階だが、窓があっても非常に小さい。

窓ガラスはない。投石器で攻撃されたらひとたまりもないからだ。


窓には頑丈な板戸が取り付けられていた。

通風や採光は、その板戸を開け閉めすることで行われていた。

だがそれだと冬場は寒くてたまらない。


暖炉は、あるにはあったが、石壁に熱をどんどん吸い取られてしまう。

火のそばにいる人以外は、暖炉などあってもなくても同じことだった。

敵から身を守るため、住み心地は犠牲にされていたのである。




ドイツのエルツ城は、神聖ローマ皇帝フリードリヒ1世が築いた難攻不落の名城である。

モーゼル河の支流、エルツ河沿いに、帝国の戦略拠点として、1157年に建てられた。

ノイシュヴァンシュタイン城・ホーエンツォレルン城と並ぶ、三大美城のひとつである。

(Burg Eltz, Moselvalley, Wierschem, Germany)

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           シューベルト「セレナーデ」(Ständchen)ニ短調 (歌唱:Fritz Wunderlich)
       
  Ständchen

Leise flehen meine Lieder
Durch die Nacht zu dir;
In den stillen Hain hernieder,
Liebchen, komm zu mir!


Flüsternd schlanke Wipfel rauschen
In des Mondes Licht;
Des Verräters feindlich Lauschen
Fürchte, Holde, nicht.


Hörst die Nachtigallen schlagen?
Ach! sie flehen dich,
Mit der Töne süßen Klagen
Flehen sie für mich.

Sie verstehn des Busens Sehnen,
Kennen Liebesschmerz,
Rühren mit den Silbertönen
Jedes weiche Herz.


Laß auch dir die Brust bewegen,
Liebchen, höre mich!
Bebend harr' ich dir entgegen!
Komm, beglücke mich !
  小夜曲


秘めやかに闇をぬう 我が調べ 

静けさは果てもなし 来よや君 

ささやく木の間を もる月影 もる月影

人目もとどかじ たゆたいそ たゆたいそ


君聞くや 音にむせぶ 夜の鳥 

我が胸の秘め事を そは歌いつ 

鳴く音(ね)に込めつや 愛の悩み 愛の悩み

わりなき思いの かの一節 かの一節


深き心をば 君や知る

我が心 騒げり ああ

待てる我に 出で来よ君

出で来よ