3月19日        不思議の国のアリス(3) (コーカスレース)
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ドードー鳥が言った。「体をかわかすのに一番いい方法は、コーカスレースだ」

「コーカスレースって何?」とアリス。

ドードーは「やってみればわかる」と言い、コーカスレースをすることに。


ドードー鳥はまず、レースのためのコース線をまるく書きました。

それから一同みんな、そのコースのあちこちでいちにつきます。

そしてだれも「よーい、どん!」といわないのに、みんなすきなときに走りだしました。

三〇分かそこら走ると「かけっこおわり!」ドードーがいきなりさけびます。


するとみんな、はあはあ言いながら、聞きました。「でも、だれが勝ったの?」

「みんな勝ったんだ。だからみんなが賞品をもらわなければならない」とドードー鳥。 



                           



「でもだれが賞品をくれるんだい?」

「そりゃ、もちろんこの子だよ」ドードーはアリスを指さしました。

するとみんながアリスのまわりにあつまって、くちぐちにさけびます。「賞品! 賞品!」


困ったアリスが、ポケットに手をいれると、キャンデーがでてきました。

そしてそれを賞品としてわたすと、ちょうどみんなに一つずつありました。


するとその時、あの白ウサギが、大あわてで、アリスの目のまえを走っていきました。

「たいへんだ、たいへんだ、手袋と扇子(せんす)をなくしてしまった!」

見ると、アリスの足もとに、白ウサギの手袋と扇子が落ちているではありませんか。


「どこへ落としたんだろう。見つからないと、女王さまに死刑にされてしまうぞ!」

アリスは大声で叫びます。「ウサギさん、まってくださいな、手袋と扇子は、ここにありますよ!」


アリスは、急いで手袋と扇子をひろうと、走り出しました。

でも、体が小さくなったアリスは、とても追いつけません。とうとう、白ウサギを見失ってしまいました。

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