4月14日     ミダス王 (Midas)   
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ミダスは、フリュギア国の王ゴルディアスと、女神キュベレとの間の子で、父の後を継いでフリュギアの王となった。

あるとき、ミダスは、泥酔して捕えられ、彼の宮廷に連れて来られたシレノスを丁重にもてなし、ディオニュソスのもとへ送り届けた。
ディオニュソスはこのことに感謝して、ミダスに対して何でも望むものを与えることを約束した。

すると、ミダスは、自分が手で触れるものを黄金に変えることを求め、ディオニュソスはその願いを叶えた。
こうして、ミダスは、あらゆるものを黄金に変える力を手に入れた。

帰り道の途中、彼が木の枝を折ると枝は金に変わり、地面の石を拾うと石が金に変わった。
素晴らしい能力を得て、ミダスはすっかり有頂天になった。

ところが宮殿に帰ってみると、飲食物まで彼の身体に触れるとたちまち黄金になってしまうので困り果ててしまった。
さらに、彼が自分の娘に触れた途端、娘は黄金の像に変わってしまった。

困り果てたミダスがディオニュソスに助けを求めると、ディオニュソスはパクトロス河にいって河の水で体を清めるように伝えた。
ミダスが河の水に触れると、すべて黄金に変る力は河に移り、パクトロス河はそれ以来、砂金が出るようになった。


またあるとき、ミダスは、マルシュアスの葦笛とアポロンの竪琴の腕比べの場面に居合せた。

ミダスは、アポロンを勝者とするムーサたちの判定に抗議し、マルシュアスの勝利を主張して譲らなかった。
そのため、アポロンの怒りを買い、耳をロバの耳に変えられてしまった。

そこで彼は、冠で耳を隠し、ただひとり秘密を知る理髪師には、それを口外すれば死刑に処すると申渡した。
しかし、理髪師は黙っているのに耐えられなくなり、地面に穴を掘ってその中に王の秘密をもらした。

すると付近に生えた葦が風に揺れるたびに「王様の耳はロバの耳」とささやくようになったので、ミダスの秘密は国中に知れ渡ってしまったという。

(ギリシア神話事典より)

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