4月15日 バッカスの弟子たち (4) アリストテレス (Aristotles) |
アリストテレス(BC384-BC322)は、エ-ゲ海北岸に生まれ、17歳の時、プラトンの大学「アカデミア Akademeia」で学びました。
プラトン亡き後、マケドニア王に招かれ、後にアレクサンドロス大王となる皇太子の家庭教師となります。
49歳の時、独立して、アテネ郊外に自分の大学「リュケイオン Lykeion」を設立。
のちに「万学の祖」と呼ばれるアリストテレスの研究は、政治、文学、倫理学、論理学、博物学、物理学など、
ほとんどあらゆる学問領域を対象とし、分類と総括を行なっています。
アリストテレスの「最高善」(The Highest Good)
「幸福とは何か」という質問に、アリストテレスは「最高善」を達成することだと回答しています。
「それ自体が目的となるもの」が最高善です。
お金も地位も、あるいは学歴も目的になるものですが、それ自体が目的にはなりません。
なぜでしょうか。
「お金」は、自分が生きるために必要な衣食住と、そのほかの願いを叶えるための道具です。
それは、何かを成し遂げるための1つのアイテムであり、それ自体が目的ではありません。
アリストテレスは、「最高善」の達成とは、即ち「善(よ)く生きること」であるとしています。
ここでいう「善(よ)く」というのは、いまのわたしたちが使う「善い人」という意味とは少しちがって「すぐれたありかた」という意味です。
たとえば、善き将軍は、手許にある軍隊を用兵上最もたくみに使用するし、また善い靴工は、与えられた皮革から最もうるわしい靴をこしらえます。
つまり、人間の本来の機能を十分に発揮したときに、言葉を換えれば、本来的自己を実現したときに「善く生きる」と言えるのです。
幸福な人とは「最高善を達成しているひと=善く生きているひと」である、アリストテレスは、そう考えたのです。
手前みそ
ある人がアリストテレスにきいた。
「両親と先生とは、どちらをよりうやまわなくてはならないでしょう」
するとアリストテレス「それは先生だ。両親は子供に生命を与えただけだが、
先生は『善い生命』にそれをしたのだからな」