5月10日        オウムガイ  (Nautilus)
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地球の生物の歴史は、約五億年前、海中に多くの生物が出現したカンブリア紀に始まるとされる。


このカンブリア紀からオルドビス紀にかけて特記される海の王者は、貝類と同じ軟体動物の

頭足類に属するオウムガイだった。


頭足類といえばイカやタコの仲間だ。イカの足は10本、タコの足は8本、

オウムガイの場合は、60〜80本という細い触手が口を取り囲んでいた。


当時のオウムガイは、まっすぐな円錐状のような殻をもち、殻をかぶった

イカのようにジェット水流を噴出しながら素早く移動することが出来た。



始生代   46億年前
原生代   25億年前
古生代 カンブリア紀 5億4000万
オルドビス紀 4億8000万
シルル紀 4億4000万
デボン紀 4億2000万
石炭紀 3億6000万
二畳紀 3億年前
中生代 三畳紀 2億5000万
ジュラ紀 2億年前
白亜紀 1億4000万
新生代 第三紀 暁新世 6600万
始新世 5600万
漸新生 3400万
中新世 2300万
鮮新世 530万
第四紀 洪積世 250万
沖積世 1万2000


  鋭い目をもったオウムガイの餌となったのは主として三葉虫で、オウムガイは

  触手を使って捕らえ、鋭い歯で食いちぎった。



                    



  こうしてオウムガイの天下がしばらく続いたが、オルドビス紀末の生物大量絶滅で衰え、

  シルル紀になると、ゆるく巻いた巻貝状の殻のオウムガイが増加した。

  魚類が制海権を獲得したデボン紀以降は、オウムガイから分かれたアンモナイトが栄えるようになった。


  アンモナイトの全盛期は中生代で、その種類は一万種以上にのぼったが、円錐型のオウムガイは

  約二億年前にその姿を消してしまった。


  だが、巻貝状のオウムガイの子孫は、現在、赤道直下の南太平洋パラオ諸島周辺のサンゴ礁に

  生息していて、生きている化石と呼ばれている。





オウムガイ(Nautilus)頭足類オウムガイ科  殻長20センチ。

水深100〜400m付近の海底近くに棲み、肉食性で、海底近くを遊泳しながら甲殻類などを食べる。

生息地は、パラオ諸島、フィリピンなど。


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