5月13日       伝説のワールドカップ 
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サッカーをする者が追い求め、世界の人々を熱狂へと駆り立て、4年に一度訪れる夢の舞台「ワールドカップ」。

今やオリンピックを遙かにしのぐ世界最大のイベントとなったこの大会は、1930年、開催国わずか13ヶ国ではじまった。

第一回大会以来、数多くの伝説を、綺羅星のごとく輝いた英雄達を、そして数え切れない栄光と挫折を生み出し続けてきた。


その総てを無言で見守り続けるモノがある。それは、世界にたった一つしかない「ワールドカップ」。

またの名を、ワールドカップ開催に最大の人力をつくしたFIFA第3代会長ジュール・リメの名をとって「ジュール・リメ杯」ともいう。

重さ1800グラム、高さ30センチ、彫刻家アベル・ラルフールがデザインした、その黄金に輝く優勝トロフィーには勝利の女神が描かれている。

この女神像は数奇な運命をたどった。



                       



第二次世界大戦中には、敵の目から逃れるために、あるイタリアにある民家のベッドの下に隠され、供出を免れた。

1966年イングランド大会前には展示中に盗難に遭い、1週間後に犬がごみ箱の中から発見した。

「ジュール・リメ杯」は、3回優勝したチームが永久保存する決まりがあり、1970年第9回大会で3回目の優勝となったブラジルに渡された。

だが、1983年12月にブラジルで盗まれた時には犯人たちが溶かしてしまい、二度と戻らなかった。


2度にわたる世界大戦を耐え抜き、世界一の男たちが何度もキスをしたトロフィーは、今も伝説として生き続けている。

(1974年第10回西ドイツ大会より、現在のカップが登場し、永久保存の決まりはなくなった。

台座から二人の選手が地球を持ち上げているデザインで、重さ4,970グラム、高さ36センチの純金製。

優勝チームが母国に持ち帰るトロフィーは、複製品である)


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