5月28日 ララミー牧場 1960年 (昭和35年) |
西部劇ブームの火付け役となった作品。
舞台は1860年代後半のワイオミング州ララミー郊外のシャーマン牧場に流れ者のジェス・ハーパー(ロバート・フラー)
が住み着き、牧場主のスリム(ジョン・スミス)と一緒に悪党をやっつけるという展開。
ドラマは優等生タイプのスリムと、かなり不良っぽいジェスを平行させながらの展開で、
どちらかといえば、スリムが主人公であったが、日本ではもう、圧倒的にジェス人気。
母性本能をくすぐるあの甘いマスクで、いままで西部劇には見向きもしなかった女性たちを、テレビの前に座らせてしまった。
番組宣伝のため、ロバート・フラーは、二度も来日しているが、どこへ行っても女学生の大群に囲まれ、
ご本人も目を丸くするほどのモテようだった。
番組のはじめには、映画評論家の淀川長冶さんが現れて、開拓時代の西部について「豆知識」紹介があった。
淀川さんは、番組の終わりにも登場して、サヨナラの挨拶と一緒に、招き猫みたいにグーしてみせたが、
これが大受けで、後に「日曜洋画劇場」の解説者に抜擢された。
「ララミー牧場」がなければ、あの日曜洋画劇場終了後の名セリフ「では、また来週お会いしましょうね。
さよなら、さよなら、さよなら。」もなかったかもしれませんね。
ララミー牧場(Laramie) 1960〜1962年 NET系
主演 ジョン・スミス(声:村瀬正彦)、ロバート・フラー(声:久松保夫)
淀川長治 (よどがわながはる)(1909−1998)
1909年(明治42年)4月10日生まれ。兵庫県出身。第三神戸中学卒。
映画雑誌の編集部員、洋画配給会社の宣伝部長をへて
1948年(昭和23年)「映画之友」編集長となる。のちフリーとして活躍。
テレビ「日曜洋画劇場」の解説者として出演、映画への愛を独特の口調でかたり人気をあつめた。
1998年(平成10年)11月11日死去。89歳。著作に「映画散策」「映画千夜一夜」など。