ローマ法王になりたかったら、カトリック教徒になって、司祭からはじめなければなりません。
まず、司祭になるには、大学などで神学を学び、その後神学校で6年間、司祭として必要な神学を学びます。
司祭から、司教、大司教、枢機卿と順を追って位を上がり、枢機卿会のメンバーになります。
法王の死後、15日目と18日目の間に、このメンバーが教皇選挙会議室(コンクラーベ)に集まり、外界との接触をいっさい断って、次の新しい法王を選びます。
さあ、チャンスが来ましたよ。
最終投票の結果、あなたが選ばれると、外で待っている人々に白い煙で合図が送られます。
法王を受諾するかどうか問われて、あなたが「イエス」と言えば、その瞬間から、あなたは法王です。
他のメンバーは、恭順の意を表するでしょう。
あなたは、礼装用の法衣を身にまとい、サンピエトロ寺院のバルコニーに出て、集まった大群衆と世界に祝福を与えます。
正式の即位式は2−3週間たってからです。
(ローマ法王庁)
ローマ市内にある世界最小の独立国、「バチカン市国」は、日比谷公園の3倍の面積ながら、全カトリック教会の総本山(中央機関)である法王庁があります。
現在、カトリックの信者は全世界で9億人あまり。名実ともに世界最大の単一宗教教団です。
ヨーロッパではスペイン、フランス、イタリア、南ドイツ、アイルランドなどに信者が多い。
ポーランドは9割以上がカトリックで、現法王ヨハネ・パウロ2世はポーランド出身。
ラテンアメリカ諸国のほとんどはカトリックが大多数を占めます。その他、フィリピンは9割がカトリックです。
サン・ピエトロ寺院 (San Pietro)
旧バシリカと呼ばれる旧聖堂は、360年頃、コンスタンチヌス帝により聖ペテロの墓所に建立され、
五廊式十字プランのバシリカ建築であった。
ルネサンス期に教皇ニコラウス5世が改築計画を立てたが、現在の聖堂は 16世紀教皇ユリウス2世の改築計画に始る。
ブラマンテ、ラファエロ、A.サンガロ (1483〜1546) を経て、1547年、ミケランジェロが設計、建造に従事した。
内部はルネサンスとバロック美術のみごとな作品で埋り、なかでもミケランジェロの 「ピエタ」 は有名である。
「ピエタ」 とはイタリア語で 「悲哀」 を表す言葉である。
この 「サンピエトロのピエタ」 は 「ミケランジェロが想像しえたもっとも美しい女性ともっとも端正な男性とを彫刻した」
と評されている。