7月20日       ボロブドゥール (Borobudur)(インドネシア)
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仏教の寺院だが、どこでお参りすればいいか分からない。

実は、参拝すべきお堂や本尊ははない。

それは、寺院全体が、仏教の宇宙観を象徴しているからだ。


その宇宙観は、悟りの世界を視覚的に表したものとされる。

全体で9層の階段ピラミッド状になっており、回廊には
仏塔が立ち、仏教説話の浮彫が彫られている。


参拝者は、回廊に彫られた仏教説話を見ながら、上層に進んで
行くと、悟りの道が開けるしくみになっている。




                             





仏教では、宇宙は三界(三つの世界)からなるとされている。

いわゆる俗世間といわれる「欲界」、高尚な精神を表す「色界」
そして無の世界である「無色界」である。




ボロブドゥールでは、一番下の階層が欲界、六層までが色界、
九層までの階層が無色界となっている。

上の層へ行くほど悟りの世界に近づくとされ、最上層の仏塔は
仏陀そのものを表している。


ところで、最下層の欲界は、地面の下にあり、隠されてしまっている。

欲界の浮彫には、煩悩に惑わされた人間の醜い姿が描かれているため、
さすがに人目に触れさせたくなかったのではないかと推定されている。

だが現地へ行くと、この最下層の一部が公開されており、醜悪さを
さらけ出した人間の行動や顔を見ることができる。



(住所:Jl. East Side Pedestrian Walk, Borobudur, Magelang, Jawa Tengah 56553)


         



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