オーストリア、ライン河のほとりの小さな村に、ジゼルという美しい村娘がいました。
ジゼルは、ある日どこからかこの村にやってきた青年、ロイスが大好きになりました。
ロイスはクールランド王の王子で本当の名前はアルブレヒトと言います。
アルブレヒトには親が決めたバチルド姫という婚約者がいました。
アルブレヒトは親が決めた婚約者とは結婚する気になれず城を出て、この村にやってきたのです。
狩猟番のヒラリオンもジゼルが好きでした。
ヒラリオンは突然あらわれたロイスの本当の身分を探り出します。
ヒラリオンはジゼルに本当のことを知らせてロイスのことをあきらめさせようとしました。
ちょうどその時、アルブレヒトのゆくえを探している王さまの一行がこの村にやってきます。
王さまの一行は休憩のためにジゼルの家に向かいました。ジゼルと母は王さまの一行を快く向かえ、もてなしをしました。
ジゼルはバチルダ姫に自分の恋人ロイスの話をします。
バチルダ姫は、素直で心やさしいジゼルが気に入り自分のネックレスをジゼルに与えました。
翌日は収穫祭でした。ジゼルは祭の踊りの女王に選ばれ、ロイスと一緒に踊ります。
踊りが山場にさしかかったとき、ヒラリオンが現れ、ジゼルに本当のことを知らせようとしました。
ロイスとヒラリオンが争いはじめ、すべてを悟ったジゼルは自分の胸に剣をつきたて死んでしまったのです。
森の奥で鬼火が燃えていました。「ジゼルの霊が呼んでいる!」アルブレヒトは森のなかのジゼルの墓に向かいます。
アルブレヒトにとって、「ジゼル」こそが全てでした。
自分の身分を隠し、婚約者の存在を隠し、彼はひたすらジゼルに逢い、彼女の微笑みを自分に向けることに夢中になっていたのです。
夜の森に恐怖する従者を帰し、ジゼルの墓前に頭を垂れ彼は語りかけます。
「逢いたいんだ...戻ってきておくれ」 彼の望みはこれだけです。
ジゼル ヴァリアシオン
「ジゼル ヴァリアシオン」 (上野水香)
Giselle Variation.wmv