8月4日  オデュッセイア (Odysseia)(1) イリアス & オデュッセイア
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妃ペネロペ (Penelope)

長く苦しかったトロイ戦争も終結し、遠征軍は一路故国へと旅立った。

しかし、彼らの中でもオデュッセウスの帰国は、とりわけ波乱に満ちたものだった。

そのころ、オデュッセウスの故国イタケ島では異変が起きていた。
トロイ陥落からすでに何年も経つのに、オデュッセウスの消息が全く無いばかりか、彼はもう死んでしまったという噂がイタケを取り巻いていた。

その結果、美しい彼の妻ペネロペに対して、近隣の王や貴族たちが大挙して求婚していた。
彼らは、オデュッセウスの不在をいいことに、わが物顔に館に入り浸っては、酒肴を食らいペネロペに結婚を迫っていた。

ペネロペは、館の奥で毎日機(はた)を織っていた。
結婚の返事をひきのばすためで、この織物ができあがったら、結婚の相手を選ぶといいつづけてきた。

昼間織り上げた分を、夜にはほどくというやり方で、三年間求婚を退けていたが、それも限界に近かった。

オデュッセウスが遠征したとき、幼かった一人息子のテレマコスは、今では立派な青年になろうとしていた。
しかし彼一人の力では、大勢の傍若無人の求婚者達に対抗して母親を守るのは容易ではなかった。

そこで彼は、女神アテナに祈った。
アテナはテレマコスを励まし、父親の消息を尋ねて旅に出るように勧めた。

テレマコスは用意をととのえ、父をたずねる旅へと出発した。
オデュッセウスは無事であった。
長い旅を終えて、今故郷へ帰ろうと、イタケへ近づいていた。

十年にもおよぶ航海になったのは、海の神ポセイドンの呪いを受けたためであった。
では、オデュッセウスの長い航海は、いったいどんなものだったのか。


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