8月13日 男声合唱組曲「雨」
「雨ニモマケズ」の宮沢賢治は、雨を「逆境」に喩えたが、
詩人の八木重吉は、雨が大好きのようで「雨」と題する詩を
いくつも書いている。
たとえばこの四行詩「雨」は、とても心打たれる詩だ。
雨の音がきこえる
雨が降っていたのだ
あのおとのように そっと 世のために はたらいていよう
雨があがるように しずかに死んでいこう
雨の音が作者の心に響いた瞬間を描いた詩なのだが、「あのおとのように そっと」
「雨があがるように しずかに」 このように自然と一体になった静かな境地に憧れてしまう。
ふと人の生きる意味を垣間見た気がして、心がじんとしてしまうのだ。